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第56話 エルフな、きよしこの夜(43)
「い、いや、いません……。俺の子供は今のところは洋子と、翔子のお腹にいる赤子だけだ」と、魔王は大変に困った。困っているような顔で翔子さんへと言葉を返せば。
「ほんまにね、一君?」と、今度は美紀さんが、冷ややかな目と瞳で、目王を見詰めれば。
「み、美紀、本当に、本当だからごめん。本当に済まない。またちゃんと異世界の扉が開き、固定をすればちゃんと俺の身の周りの世話をしてくれている女性。彼女のことを詳しく紹介をするし。説明をするから」と、自身の顔色を魔王は変えながら。自分へと憤慨しながら迫りくる翔子さんと美紀さんに対して、自身の両手を前に出し、振り。ジェスチャーしながら「信じてくれ。本当だから」と、気弱な声音で更に妻二人へと呟き。言い訳しながらジワリジワリと後ずさりをおこなう。




