第56話 エルフな、きよしこの夜(41)
「魔王?」とね。
「ん? 何だ、エル? 未だ俺に用があるのか?」
私に声をかけられ立ち止まり。後ろを振り返った魔王なのだが。後ろを振り返り。私と目が合うと、少し悩んだ顔をしながら言葉を返してきた。
「あのね、魔王。私さ、あなたに少し聞きたい。尋ねたい事があるのだけれど良いかな?」と。私は「ふっ、ふふふっ」と笑み。
それも魔王に対して大変に意味深な笑みを浮かべながら声をかける。だから家の主、大黒柱様は、大変に悩んだ顔、面白可愛い顔……。
まあ、この辺りは、同じ顔、容姿をしているだけあって、一樹と同じ顔をしているなと。フムフムと、感心しながら魔王の事を私は見詰めながら。更に夫へと声をかけ尋ねる。
「魔王貴方、向こうの世界に、自身の身の回りの世話させている者。女性がもしかしているの?」と。
私は更に魔王へと薄ら笑いを浮かべながら問うのだ。
「えっ! いや。あの……」
私の問いかけに対して、魔王は直ぐに俯き、視線を外したのだ。
と、なれば?
魔王、私達の主には、未だ他にも妃がいる事は間違いない。こいつ確信犯だと思い。私はニヤリと微笑みながら。
「あなたぁ、どう言う事?」と、迄言いかけた所で。




