第56話 エルフな、きよしこの夜(36)
「私はいいよ。一樹が行くところ。何処へでも……。それこそ、来いと言われれば別の世界。異世界にだって永住する気で嫁にきたのだから大丈夫。大丈夫だよ」と。
翔子さんは、魔王に微笑みながら。何処へでもついて行くと告げる、だけではないのだ。
「それにさ、一樹。今後自分達で食品加工会社を始め訳じゃない」と、翔子さんが魔王へと告げれば。
「うん」と、「らしいな?」と、魔王は頷きながら言葉を返す。
「だからね。一樹。お父さんの里に広い土地。空き地があるならば。そこにプレハブの小さな工場や作業場が建てられる事が可能じゃない。そしたらさ、本当に会社ぽいけぇ、ええと思わん? ねぇ、一樹? だからうちはは、お父さんの里。実家でもええし。と、言うか? その方が助かるけぇ」と、翔子さんは魔王に嬉しそうに告げればね。
「へぇ~、そうなのか? 翔子? 俺は、この世界の俺ではないから良くはわからんが。翔子。お前がそうしたいのならば。そう、すればいい。翔子と美紀」と、魔王が翔子さんだけではなく、美紀さんの方へと顔、視線を変え、向けして告げればね。




