第56話 エルフな、きよしこの夜(35)
「……ん? どうだろうか? と、言うか? 《《猿猴》》の長、多分可能なのではないかな? もう一人の俺の記憶を手繰り寄せ、見て確認をする限りでは、かなり過疎化が始まっている集落だから。空き家も多いいみたいだから。《《猿猴》》の長達が空き家に住んでくれれば。集落にも活気が出るし。年寄りばかりしかいない親戚達の防犯的に役に立ちそうだから。そうしてくれれば、こちらの世界の親父殿や親戚の伯父上達も助かるとは思う」と。
魔王が《《猿猴》》の長へと告げれば。
「あ、あの魔王様? 猿猴殿達がそちらに、島へと移住をされるならば。儂等《《ひば》》の一族も。そちらに永住ができませんか?」と。
今度は《《ひば》》の一族の長も、義父の田舎、里へと永住希望を出してきた。嘆願をしてきたのだ。
だから魔王は更に、「うぅ~ん」と、唸り声を漏らしながら思案を始め出すのだ。
さてさてどうしたものかと言った感じで唸り声を漏らしながら思案と、言うか?
翔子さんと美紀さんの顔をチラチラと見ながら。妃二人が済む事を納得してくれないと先ずは無理だから。と、でも言いたい様子で、二人の様子を窺っていると。




