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第56話 エルフな、きよしこの夜(34)
魔王は問いかけてきたのだ。ちゃんと順序良く妻、妃の顔を見渡し確認をしながらねぇ。
そんな魔王に私は、「魔王、私はこちらの世界の事が良く解らないから。返答の方は翔子さんと美紀さんに任せるね」と、告げると。
「あい。わかった」と、魔王は頷いた。
「……あ、あの、魔王様?」
「……ん? どうしたのだ。《《猿猴》》の長? 何かあったのか?」
私の返事を聞き、残り二人の様子。翔子さんと美紀さんがどんな返事をくれるのかを興味津々に、二人の様子を窺っていた魔王に対して、《《猿猴》》の長が話しかけてきたから家の主様は、後ろを、振り返り首を傾げると。
「もしも魔王様やお妃様達が、瀬戸内海の島の漁師町で暮らされるのならば。我等一族も、そちらの方で今後暮らす事は出来ませんかね?」と、問いかけてきた。




