第56話 エルフな、きよしこの夜(33)
魔王は私達妃へと、お父様の故郷で永住するのはどうだろうか? と、問いかけてきたのだ。
う~ん、でもね? 私は取り敢えず、こちらの世界、日本へときたばかりだからお父様の故郷がある島の名前を魔王に告げられても。その場所が何処にあるかも理解ができない。検討もできないから。この件は翔子さんと美紀さんに任せようと思っていると。
「う~ん、そうね」と、翔子さんが唸り声を漏らしながら呟けば。
「呉市って良く解らないよね?」と、美紀さんが、首を傾げながら呟く。
それを聞いた魔王はと言うと。
「俺自身も。もう一人の俺の脳内から記憶を探索しているのだが。いまいち、よくわからん」と、苦笑い。嘆くように呟く。
でもね、魔王は直ぐに自身の口を開け。
「あそこの島ならば、こちらの世界の父親が、祖父や祖母から譲り受けた古びた家屋や土地も持っているはずだから。新築の家が建て終わるまで、古い屋敷の方で暮らしているようにすれば。今直ぐにでも生活することが可能だから。翔子と美紀どうだろう?」と。




