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第56話 エルフな、きよしこの夜(30)
「「はい」」
「「分りました」」
「「お待ちしています」」
「していますね」
「可愛い姫様」と。
《《ヤマタノオロチ達》》は、我が家のお姫様へと各自各々が、笑みを浮かべながら告げてくれたのだ。
「よかったなぁ、洋子」
自身の愛娘の嬉しそうな顔を凝視した魔王は、洋子ちゃんの頭に手を乗せ、優しく撫でながら呟けば。
「うん」と、洋子ちゃんは頷き返事をすればね。
「パパ?」と、魔王の顔を見上げながら問いかけ始める。
「ん? どうした洋子?」
自分自身の事を見上げながら、首を傾げ問いかけてくる洋子ちゃんに対して魔王自身も、親子だから良く似た顔、表情で、首を傾げながら言葉を返せばね。
「洋子もあちらの世界……。洋子のもう一人のパパがいる世界へといけるのかな?」と、魔王へと尋ね始める。




