第56話 エルフな、きよしこの夜(2)
家の筆頭奥様エルから美紀、翔子が順に夜空を見上げながら一つしかない身体……。
そう、我が家の一応は大黒柱である僕の小さな身体に所狭しと、自身の頭、頬を当て、しな垂れかかってきながら。うっとりしながらねぇ。夜空を見上げ。クリスマスイブの夜──少しばかりどころではないね?
周りの景色──山、森林。雑木林の頂上、頭を少しばかり見て確認をすればわかる通りだよ。
いくら夜。陽が暮れて闇、暗闇に覆われていようとも、月明かり。星達の煌めきが地上へと降り注いでくれるから。それがある物に反射して良く見える通りで。山や雑木林の頂上、先端、頭には、白い雪が被さっているのが目に見える。つくから。少しどころではなく、家の幼いお姫様が先程自身の小さな身体を震わせながら。
『パパ、寒い。寒いよ』と、呟いた通りだよ。
だからね、僕の口。妻達の口。娘の口から、息をする。話し。会話をする度に息が白く見えるのが確認できるぐらい。この場! モミの木森林公園は冷たい。寒いのだ。スキー場があるくらいだからね。




