第55話 クリスマスイブの夜(15)
「一樹。それは当たり前の事……。洋子ちゃんは、義理であろうとも私の娘であり。私の後を継いで《《フレグランド伯爵家》》の当主。勇者になる。可愛い私の娘なのだから当たり前だし。私自身も感謝しているもの洋子ちゃんの件はね。家のお父様やお母様もきっと喜び。歓迎をしてくれるから。何せ、《《フレグランド伯爵家》》の時期当主は、魔王の血を引く巨大な魔力を持つ洋子ちゃんだからね」と。
エルは、自身の義理の娘であろうとも洋子の事をいつもこのように絶賛してくれるのと。
幼い洋子が自信喪失、自戒しそうになればいつも。
『洋子ちゃん、頑張れ!』、『頑張りなさい!』、『洋子ちゃん、貴女は大変に高貴な身の上。魔王の娘なのだから。絶対にできる! 頑張れる!』、『洋子ちゃんは、悪い奴から世界を守る事が出来る。勇者になるのでしょう?』、『じゃ、頑張れ! 頑張れ!』と。
エルはいつも、娘の洋子の事を鼓舞。叱咤激励してくれるのだ。
だから僕は、我が家の奥様に大感謝! 僕自身が言葉では言い表せないぐらい恩に感じ、感謝しているのだよ。エル以外の妻である美紀と翔子の件も含めてね。
僕は一生、生涯。我が家の筆頭奥様エルに頭が上がらないと思う。
だからエル大事にするね、と。自身の心の中で呟けば。
「うん。分かった」と。
我が家のエルフな筆頭奥様から天女の微笑みとともに言葉が返ってきたのだった。
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