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第53話 僕の決意! (3)
「一樹、あんたぁ~。貯金どれぐらいあるぅん?」と。
翔子が今度は、僕の貯金額を尋ねてきたから。
僕は自身の腕を組み、「う~ん」と、言葉。唸り声を漏らしながら考える人へと変化しながら思案を少しだけした。するとね。
「翔子ー?」
「……ん? 何一樹?」
「俺に貯金額と通帳の事を聞いても。よぅわからんけぇ。エルに聞いてくれるかのぅ」と。
僕は、自身の腕を組み、唸る行為はやめて、翔子の方へと向き、見詰めながら言葉を返すと。
「エルさん、一樹の貯金額は、どれくらいあるぅん?」
翔子は、自身の首を傾げながら、今度は僕ではなく、エルへと視線を変えて問いかけ始めるのだ。
「う~ん、いくらだろうか?」
エルは、翔子の問いかけに対して、自身のシャープな顎へと、指を当てながら考える。思案を始め出すと。
「多分、六百万か? 七百ぐらいはあったと思うけれど? もう一度通帳を見て確認してみないと解らないかも」と。
エルが翔子へと告げれば。
「一君、結構貯めとるねぇ」と。




