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第50話 はぁ~! そんな事って~! (4)
だからエルと洋子の二人に。
「エル? 洋子? 悪いんじゃけれど。二人とも翔子の奴に、自分達が持ちょるぅ。大きな笹耳を見せてやりんさいぃ。お願いじゃけぇ」と。
僕が二人に頭を下げれば。
「分かったわぁ、一樹」
「うん、パパ」と。
二人は仲良く頷いたのだ。
そんな二人の様子を、後ろに控える美紀は、心配している顔と様子で見続けているのだ。
でっ、当の本人である翔子はと言うと?
訝しい表情へと移り変わりながら。
僕とエルと洋子の三人の様子を窺う。
〈ボン!〉
そう、『ボン!』だよ。
『ボン!』なのだ。
まあ、実際に、映画やドラマ、アニメのような煙と効果音の方は、全くと言ってないけれど。
二人の変身解除が終わればね。
「えぇ、えええっ! な、何、これはぁあああっ? エルさんと洋子ちゃんって、人。人間ではないの⁉」と。
翔子の奴が二人の本当の姿を凝視して驚愕! 絶叫! 声を大にして叫び始め出した。
そんな動揺、困惑をしている翔子の様子を窺いながら。




