第48話 自宅にて……(4)
だから僕は、自身の膝に座る洋子へと、ニコ! ニコリと微笑みながら「うん」と、頷き。
「洋子、大丈夫だよ。パパはもう、ママとは喧嘩をしないから。心配をしなくていいよ」と。
僕は、自身の膝の上で心配、心細い顔をしている洋子の小さな頭を優しく撫でながら、安堵するようにと告げれば。
「美紀~。いつまでも泣かずに、こっちに。俺の横にこんけぇ、今直ぐに」と。
相変わらず嗚咽を漏らす、美紀へと告げれば。
「ええのぉ、一君?」
自身の瞼を、涙の流し過ぎで腫らしている美紀が、恐る恐ると尋ねてきたから。
「ええけぇ、はよぅ、こいやぁ、美紀」と。
僕は、自身のもう一人の妻である美紀へと手招き──真横にくるように告げる。
「うん」
美紀は、僕の手招きに反応を示すと頷き、立ち上がり。
慌てて、僕の真横へと詰め寄り、ドスン! と、音を立て、真横へと座れば。
そのまま勢い良く、夫の僕へと抱き付き。
「御免ね。御免なさい。一君……。もう、二度とあんな事はせんけぇ、許して。許してね。一君。お願いだから。本当に御免ねぇ」と。
美紀はまた、大きな声で泣きながら、僕へと謝罪をしてきたから。
「もうええけぇ、泣くなぁ、美紀。もうええ、から」と。
僕は自身の、二人目の妻、美紀の頭を優しく撫でながら。
過去の出来事。
僕と美紀とのわだかまりは、今を持って無。無くす。
そして、これから家族四人で頑張って生活をしていく、続けるのだと心に誓う。
……だけではすまないね。
僕には未だ翔子との問題が残っている事をふと思い出して。
(どうしようか?)
と、自身の心の中で呟くのだった。
◇◇◇




