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僕とエルフな勇者さまとの昭和の終わり。日常、商い。スローな両世界販売ライフの予定?(改修版)  作者: かず斉入道


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第27話 エルフな奥さまは大憤怒! (2)

(ごめんね。ごめんね。エル、本当にごめんなさい。ゆるしてください。奥さま。ごめんなさい。ゆるしてください)と。


 僕自身の脳裏で何度も呟いた! 呟いたのだ!


 でもね、僕の思いはエルに、妻に、伝わらないのだ。


 だって僕の家には確かに、翔子が先程説明をしてくれた通りだ。


 毎日に近いペースで夜遅くや深夜に、悪戯電話のような、【ワンコール切れ】


 そう、我が家の、電話のベルが『リン!』と、一回鳴り、切れる行為が続いていたのだ。


 また、その事を知っているし。


 電話と受けた事もあるエルだから。


 僕が脳裏で何度も祈りを込め謝罪をしても。


 妻の怒りに油をさすだけになるのだ。


「はぁっ! 何を嘘ばかり言っているの、魔王ー? 家の電話、私が来た日の翌日から。ワンコールで電話が鳴り、切れるのは毎日続いているじゃない! でっ、私が魔王に聞いた。尋ねたら。あなたは『さぁ~、誰だろう? 僕に聞いても知らないよ』と、言っていたじゃない、魔王! あなた! あれは、あの言葉は、妃の私にあの女性ひとの事を隠す。騙す為に、あなたはー、素知らぬ振りをしたのでしょう⁉」


 だから僕のエルは、夫の僕よりも魔王らしい振る舞い、様子で憤怒! 憤怒し!


 そのまま僕の顔面に向けて──。


〈ドン!〉と。


 頭突き!


 頭突きを、僕の顔の中心へと打ち込んできたのだ。


 だから僕は刹那──!


 自身の口からは。


「うがぁあああっ! 痛い! 痛いけぇ、エルー! 痛いけんねぇ!」


 まあ、こんな感じで絶叫を放つ、放ち。


 自身の顔を両手で覆い隠しながら、自身の頭を下げる。


 下げれば直ぐに僕の両鼻から血だ。


 鼻血が垂れ出し止まらなくなってしまったのだ。


 僕のエルは、元勇者さまだから。


 エルの少し、軽い、手加減をした頭突きでも本当に痛い! 痛くてしかたがないから。


 僕の口からは、悲痛な声しか漏れてこないのだ。


「うぅ、ううっ、い、痛い。痛いよ。僕の鼻。鼻血が止まらない。止まらないよ」


 と、悲痛な声音でね。


 でも家の奥さまは、悲痛な声を漏らす、情けない夫である僕の様子を凝視しても、怒りは収まらないようだから。


「──もう、いい。一樹。私帰る。帰るから。一樹、サヨウナラ……」


 エルの夫である僕へとサヨウナラを告げると。


 エルはそのまま、空中──。


 空へと向かい、飛び立ってしまったのだ。



 ◇◇◇


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