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第26話 僕は奥様が、耳が良い事を忘れていた(2)
だから僕は妻の、エルの顔を見詰めた。
何て、できないよね。
僕は妻に、エルに対して後ろめたい事があるから。
自身の瞳だけ、下を向き。
エルと目を合わせないようにしたのだ。
僕はエルの美しい碧眼の瞳と顔を真面に見る事なんて出来ない。
そう。出来る身の上、立場ではないからね。
俯く事しか出来ないのだ。
(エルにどう告げたらいい。説明をすればいいのだろう)と。
僕はまた脳裏で思いながら俯く。
と、いうか?
僕に考えるな、思考をするなと言う。
告げる。
申すと言う方が無理だよね。
こんな状態に陥っている僕だから。
でも、僕の大事な宇宙人でもあり、エルフでもある、伯爵令嬢のエルは気位、プライドも大変に高いからね。
僕の妻は、元勇者は。
大将軍さまでもあるから。
僕に荒々しく尋ね始めてくるから。
(どうしよう?)と。
また凝りもしないで、脳裏で思う。
僕だったのだ。
◇◇◇




