第20話 宇宙人なのかな? (4)
「ないない」、「ないなぁ~」、「可笑しいな~?」、「何処だろう?」、「暗いから見えない」、「わからないなぁ~?」と、
まあ、僕は独り言を漏らしつつタオルを探索する! 探索した! 探索を続けた!
「……あった!」、「ありました!」、「やっとタオル見つけることができました……」
だから僕の口からは乾いたタオルを見つけたことを自分の背後……。マツダのボンゴの後部座先で横たわる彼女……。
そう何故かこの真冬の寒い夜の中を時代錯誤な洋式の甲冑を身に纏いつつ歩き、僕の背後に迫り──。抱きつき驚かした特殊な金髪の姫武将さまに対して、『あれでも起きた?』、『目を覚ましてないか?』と思いつつ、彼女にも聞こえるように車内で大きな声をだした。
しかし僕の後方で寝ている姫武将さまは、コカ・コーラを飲んで喉が潤ったのか?
『うぅ、ううう。み、水をください』、『助けてください』、『見逃してください』、『魔王、私の負けです』と呻り、悪夢に魘されていたみたいだったけれど。
今の彼女は「すぅ、すぅ」と穏やか、静かな寝息を立てているだけだから。
まだ彼女は寝ているようだ! と僕は勝手に解釈をして、乾いたタオルを拾えば。僕は反転──! 後ろを振り向いた──!
だから横たわる金髪の姫武将さまの傍へと近づく。そして彼女がかぶる、洋式の兜へと僕は自分の両手の掌を当て、添えて──。兜を取り外す作業をおこなうのだった。
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