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僕とエルフな勇者さまとの昭和の終わり。日常、商い。スローな両世界販売ライフの予定?(改修版)  作者: かず斉入道


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第23話 エルフな勇者さまは、日本で商いを始めました!(2)

 だって家の奥さまの涼やかな、メロディー。音符が空を、空中を舞うように。


「いらっしゃいませぇ~。どうですかぁ~。試食はぁ、いかがですかぁ~?」と。


 叫ぶ、ではなく。家の奥さまの場合は、唱える。歌うといった方が良いのかも知れない?


 だって家のエルの声音、声色は、まるでミュージカルの歌いながら劇をする。舞う。女優さんみたいな声音と響きで、通りすがりの人達──。


 そう、只今僕達は、毎月一度はお世話になっている。販売をさせてもらっている小型のスーパーマーケットの店先。店頭にて、お菓子・豆菓子・珍味・ドライフルーツの販売をしている最中なのだが。


 家の元勇者、将軍さま、伯爵令嬢さまで、エルフな奥さまの、お客さま達への呼び込み対して。通りすがりの人達は、直ぐに『ピタリ』と、足を止めてこちら。と、言っても、不機嫌極まりない顔をしている僕ではなくて。隣で、ニコニコ天女、天子の笑みを浮かべながら食用トングのロングで、自身の目の前にある。置いてある。夫の僕が、梅を干すための大きな竹細工の篭に、山のように盛った【野菜チップ】、【野菜チップ】と、言っても。皆さんは知っているかな? 知っていないかな?


 まあ、今は観光地のお土産さんにいけば、わりと目につくし。定番に置いてある。展示してあるのも見かけるし。大手のお菓子製造メーカーさんも確か? 林檎とか、その他の果物を加工した物を袋詰めして、スーパーマーケットやショッピングセンター。百貨店などの食料品売り場の定番で見かけるようになっているけれど。


 昭和の終わりの時代では大変に珍しく。僕が【野菜チップ】をさつま芋のチップ。【芋かりんとう】の縦切りではなく、横切りにカットした物を【芋けんぴ】のように加工した物などと色々と混ぜて販売したのは、日本全国でも五本の指に入るぐらい早く導入して販売をしたからね。家の奥さまエルの涼やか、歌を唄うような呼びこみに誘われて近づいたお客さま達は。エルのしなやかな掌、指先で握り。掴まれた食品トングから繰り出される。【彩花】、【野菜チップ】の試食を渡され、口に入れ、含めば瞬時に──。


「美味い!」、


「買うわ! これ!」で、購入希望!


 でっ、お終いなのだ!



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