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僕とエルフな勇者さまとの昭和の終わり。日常、商い。スローな両世界販売ライフの予定?(改修版)  作者: かず斉入道


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第23話 エルフな勇者さまは、日本で商いを始めました!(1)

「いらっしゃいませ。いらっしゃいませぇ~。どうですかぁ~。いかがですかぁ~?」と。


 大変に澄んだ。涼やかな声音で、目の前を通り過ぎる人達へと、自身の持つ商品アイテムを、その日の糧を得るために、購入してもらおうと声をかけるように叫ぶ、僕なのだと、言うことはなく。家の新妻さま……。



 元勇者で魔王、亜人討伐軍総司令官。エルフな伯爵令嬢の上に、一人娘ときたものだから。亜人の国で、跡継ぎがいなくなった家の奥さまの実家。里の伯爵家は大変なこと。大騒ぎになっていると思うと、苦笑を浮かべ漏らしながら他人事のように告げた。説明をしてくれた。


 僕の妻エルなのだが、一度ぐらいは里帰りをして、自分は無事だと言うことを老いたお父さんと、年齢不詳の美魔女どころではない。未だ娘。お姉さん。貴女は新妻さまですか? と、問いたくなるような、エルの超がつくほど……。



 人種の国の皇帝陛下が、密かに側室をと狙いを定めているエルフのお母さんには逢いたい。逢って、自分は元気で、ちゃんと結婚もしたのだと告げたいらしいのだが。


 自身の星に安易に帰還。帰宅ができる訳ではなく。夫の僕が完全な魔王の記憶……。



 う~ん、どうやら、家のエルフな奥さまが、この青い星地球へときたのは、僕が魔王で、異世界ゲートを開いたから。この地球の中にある一つの国家。日本へとこられたらしいのだが。僕自身には、皆も知っての通りで。そんな記憶は、僕の脳裏に存在しないので、奥さまに魔王の話し。説明をされても首を傾げるしかないのだがと。今迄の僕達新婚ホヤホヤ夫婦の経緯を説明したところで、話しを元に戻すのだが。


 家の奥さまの声音。声色が余りに素晴らしいから。僕自身が驚愕──。開いた口が塞がらない状態へと陥っている最中なのだ。



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