第21話 エルフな勇者さまは、クリスマスの飾りの艶やかさに驚愕!(11)
またNコロの運転を僕はそっちのけ、前方を見ながら運転に集中しながらエルと会話をする。話しをする、ではなくて。超がつくほどの、【重ステ】、【力ステ】を片手運転しながら前方不注意を続けながら驚愕をしたのだ。
エルのお父さんは、昔話や映画の世界観みたいな大変に恐ろしいこと、犯罪行為をして、エルのお母さんを自身の物、妻にしたのだと聞いたから驚愕をしたのだが。
「えっ? でも、一樹も、家のお父様と余り変わらない事をして、私の事を強引に、自分の物した。妻にしたから。余り変わらないと、言うか? ほとんど一緒だよ」と。
エルは僕へと苦笑を浮かべながら告げてきた。
だから僕は、「何で?」だよ。
そう、自身の首を傾げながら問いかけた。
「だって一樹は魔王の時に、私が被っていた頭鎧を強引に外して。そのまま私の唇に唇を重ねてきて。私のファーストキスを強引に奪う。……だけでは飽き足らず。キスを奪われ動揺、困惑。その場に力無くへたり込んでしまった私の、この長い髪を束で握り。『こっちへこい。勇者。今日からお前は、俺の妃だ!』と、罵声を吐きながら。私を引きずって歩きだしたのよ。魔王の時の一樹は。だから家のお父様と一樹は変わらない、ではないよ。一樹の方が家のお父様より酷い。酷いから」と。
エルは僕の方が、義父よりも酷い。酷い奴だと、プンプンしながら不満を漏らしてくる。
だから僕は、「何で?」と、己の額から冷や汗を垂らしながら問う。




