第21話 エルフな勇者さまは、クリスマスの飾りの艶やかさに驚愕!(7)
エルに自動車は何故動く。どうやったら動くの? と、問われ。簡易的に説明をしたのだが。
僕自身もエルが先程から何度も告げていた。漏らしていた言葉、【バロン】のことが気になるから問いかけてみたのだよ。
多分、僕の予想だと、【馬】か【牛】のような生物だと思うのだけれど? と、自身の脳裏で、馬と牛の形容姿を思い出しながらエルへと問えば。
「……う~ん、ちょっと、違うかな?」と。
エルが少しばかり困惑をした表情で言葉を返してきた。
「ん? そうなの?」
僕はまた、前方を凝視しながらNコロの運転をする行為をやめて余所見──。助手席に座るエルの方を凝視しながら答える。
「うん、そうだね。一樹が先程脳裏で想い描いた生き物。生物とは容姿が違う生き物なの、バロンは」と、教えてくれた。
それを聞き、僕は、「ふぅ~ん」
そして、「違うのか……」と、言葉を漏らしながら。また視線を前方へとかえて、Nコロの運転に集中しながら言葉を返す。
「一樹、後で羊皮紙にバロンを描いて、描いてあげるね」
エルへと言葉を返し、Nコロの運転を真面目に始めだした僕へとエルが今度は、【羊皮紙】と言う名の、聞き慣れない言葉を漏らしてくるから。僕はまた気になり。
「エル、羊皮紙って何?」と、問いかけたのだ。
「ん? 一樹。一樹は羊皮紙を知らないの?」
直ぐにエルからこんな言葉、台詞が漏れてきたから。
「うん」と、僕は言葉を返したのだ。今度は何も想像、妄想することもできずに、だよ。
だって僕自身、【羊皮紙】と言う言葉も聞き慣れないし。物を見たことも、聞いたこともないからね。と、僕自身が思ったところで。




