第21話 エルフな勇者さまは、クリスマスの飾りの艶やかさに驚愕!(2)
「頭きて、頭きて仕方がないもん」と。
エルは太々しく、自身の可愛い頬を『プゥ~』と、膨らませた顔で僕に不満を漏らしてくる。
「そりゃさぁ、私だって、一樹に今迄彼女の一人や二人……ん? えぇ、えええっ! 一樹! そんなに沢山の女性とのお付き合いがあるのぉおおおっ!」と。
まあ、僕がまた凝りもしないで、一言多いいと、いうか?
(えぇ~と? 今まで僕は、誰と付き合ったけぇ~?)と。
ついついつまらないことを、余計なことを脳裏で呟いてしまったのだ。
だからエルが驚愕、驚嘆を漏らしたのだ。
こんな言葉もつけ加えてね。
「もう、本当に一樹は、魔王。魔王の所業なのだから……。実は一樹。いや、魔王の子が沢山いると言うことはないよね、一樹?」と。
エルは夫の僕にまた【魔王】と、訳解らない言葉、単語を呟きながら嘆いてきた。
だから僕は、愛しのエルさまに、「ごめんなさい」と、Nコロを運転しながら謝罪。
「それと、僕には子供なんていないし。できるとしたら。エルとの間だけだよ。僕の子供は」と。
僕は、今にも泣きそうな声音でエルへと説明をしたのだ。自身の心の中で何度もエルに、(エル、信じてよ。お願いだから)、(僕が好き、愛しているのは、エル。一人だから)と、呟けば。
「本当に~?」と、言葉が返ってきたから。
僕は「うん」と、頷く。
そんな様子の僕にエルは、未だ不満の残る顔をしながら。
「まあ、私も、自分の国に帰れば、勇者だし。英雄だから。まあ、色々な事が一杯あったから。一樹の事を一々文句を言える立場じゃないけれど……。実際、私の事を待っている人達もいるかも知れないしね」と。
エルは『フン』と、鼻息荒くしながら、こんな恐ろしいことを、夫の僕へと告げ、説明をしてくる。




