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僕とエルフな勇者さまとの昭和の終わり。日常、商い。スローな両世界販売ライフの予定?(改修版)  作者: かず斉入道


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第19話 エルフな勇者さまは、鋼の乗り物を見て驚きます! (16)

「えぇ、えええっ! ま、まさかぁあああっ⁉ 車がぁあああっ! 家のNコロがぁあああっ! ちゅ、宙に浮いているよぉおおおっ! エル──?」と。


 僕が驚愕しながら家の奥さまに訊ねれば。


「うん、そうだよ。一樹……。嫌だった?」と。


 家の奥さまは、今の浮いた状態を全く気にすることも無く。また夫の僕との愛し合い。逢おうと、キス、接吻、チュウの雨嵐を「うぅ~ん」、「うん」、「チュ~」と、降り注いでくれながら問いかけてくるから。


「い、嫌も何も……。こんな宙に車が浮いている状態だと。本当に不味い。不味いよ。他人に見られる。見られたら。大騒ぎ。騒動になるから不味い。不味いよ」と。


 僕が慌てふためきながら告げ、諫めれば。


「ふぅ~ん。そうなんだ? この世界は魔法、妖力が使える仕様できる人達っていないんだね。知らなかったよ。一樹」と。


 エルが僕に告げると。


「えい~!」、


「やぁ~!」、


「とぉ~!」だよ。


 何処かの変身特撮ヒーロー達のような台詞をエルが吐き、放てば。


〈ドン!〉


〈ガシャン!〉と。


 僕達夫婦が乗っているホンダのN360の車体、ボディから大変に良い音──。そして車体の底から激しい振動と鈍い金属音も揺れ聞こえてくれば、お約束通り。テンプレ通りで。


 僕達夫婦が乗っているNコロは道路へと落下。落ちたのだ。


 でも、先程僕が驚愕しながら説明をしたことを思い出してもらえればわかる通りだ。


 ここは山道下る急な坂道だから。エルの密着、甘えながらのキスの雨嵐でハンドルを、僕が握っていないNコロは。そのまま、狭い道路の脇から飛び出して、溝に落ちるか、畑に落ちる運命しか残されていないから。


 僕の「うご、うご、うがぁあああっ! うぎゃ、あああっ! うぎゃ、あああっ!」の、エルとの接吻の最中の驚愕は、こんな感じで収まる訳もない状態──。




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