第15話 鋼の甲冑を身に纏う女性の介護を始めます(2)
だって今の令和の時代や平成の時代に生を受けた若者達にはピン! とこないかもしれないけれど。
昭和の終わりの時代には、安易に喉を潤してくれる水や炭酸水、お茶……。スポーツドリンクも自動販売機の商品蘭に並んでいない時代でね。
僕の愛車で横たわり『うぅ、うううっ』と呻りながら、『み、水……』、『水をください……』と本当に恨めしそうに声を漏らす。何故か洋式の甲冑を身に纏う金髪の姫武将さまの要望通りに水を安易に手に入れることは不可能でね。
それならば今の若い人達はコンビニエンスストアーへといき、『お水等を購入すればいいのでは?』と言うことになる。
しかし昭和の終わりが近づく時代はね~? 僕の地元でもセブ〇イレブンとヤ〇ザキデイリーストアーが一軒ずつあるのみで、まだ町の小さな、何でも売っている雑貨屋さんが沢山ある時代だったから、お水なんて販売していないのと。
ショッピングモールやスーパーマーケットへといってもお水は販売をしていない時代でね。僕は最初に量販店さんの定番にお水のペップボトルが並べられた時に、日本は普通に水道水を安全に飲める上に美味しいから、こんな物売れるのだろうか? と首を傾げた記憶があるよ、と。
僕が説明をしたところで話を元に戻すけれど。
まあ、そんな時代だったから、マツダのボンゴの車内で呻る、姫武将さまへとお水を捧げようにも、自動販売機にはないから。
僕は『さてさて、どうしよう?』と悩んで。
《プチッ!》
とコカ・コーラのボタンを押したのだ。




