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霊感探偵達の物語  作者: 秋月煉
絆が紡ぐ純愛歌
65/79

3ー13

お待たせ致しました。いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。

これにて、ストックが切れました・・・。

傷の手当ては、意外にも白木さんがしてくれました。

何といいますか、大変手際が良いのですが・・・。私の微妙な視線に気付いたのでしょう、その意味にも。

白木さんが、苦笑しつつ教えてくれました。


「僧侶の修行は、怪我をしやすいのさ、だから、応急措置の講習をちゃんと受けてるんだよ」


僧侶であり、ご実家の仕事を手伝っている白木さん。今時の青年て感じがしますが、こういう部分は真面目なんですよねぇ。


「はい、これで終わり! 瘴気とかは浄化されてるから、直ぐに治ると思うよ」


「ありがとうございます、白木さん」


瘴気が傷口に入ると、治りが遅くなり、最悪壊死する場合があります。真由合さんが、入院の手続きを取られたのは、何も大げさな訳では無いのです。

まぁ、聞いた話では、吹き飛ばされて出来た傷らしいので、瘴気の傷では無いそうですが。縫うような怪我では無かったようですが、範囲が広かったのと、出血が多かったからと伺いました。


「・・・美鈴ちゃん、本当に無防備だよね、男と二人きりなんだけど?」


真剣な白木さんの顔が、真ん前にありました。普段から、ふざけた様な感じですが、真面目で仕事に手を抜かない方です。


「あら、仕事中に口説いたりするような、バカな真似は為さらないでしょう?」


「・・・・・はぁぁぁ、そこは、ちょっとくらい、ときめかない? 美鈴ちゃん」


「フフッ、本気で口説いていない方に、ときめきませんよ?」


残念そうな白木さんですが、彼のこれは、今に始まった訳ではありません。故に、ときめきが起きないという残念さがあります。


「結構、本気なんだけどなぁ・・・」


何て話してますが、後は戻るだけです。車の扉は開いたままですから、ちょうど水島くんがこっちに来るのが見えました。


「美鈴ちゃん、怪我は大丈夫?」


かなり心配させてしまったようです。申し訳なく思います。


「大丈夫です! 白木さんにちゃんと、治療して貰いました」


「・・・そっか、あ、そうそう、館長とまた、話し合いするみたいだから、集合してくれって」


水島さんの言葉に、首を傾げてしまいました。何かあったのでしょうか?

とはいえ、慌てて私達が向かった時には、既に話し合いが始まっていました。


「遅れて申し訳ありません」


一応、詫びを入れてからの入室です。室内は、事務室のようで、龍崎さんと真由合さん、私と白木さん、呼びに来た水島くんしかいません。


「今、始まったところよ」


真由合さん、静かに待機の合図がありました。ふと、少し元気が無いのが気になりましたが、既に会話が始まってしまったので、モヤモヤしながら聞くことになりました。


「館長、今回の騒動が起きた原因の品物が、特定できました」


逆に、龍崎さんは冷静な感じで、仕事モードです。取り敢えず、中間報告の形を取るようです。来客用の椅子には、龍崎さんと真由合さんが座っているため、我々は後ろに控える形になりました。


「おぉ! 本当ですか!? これで、あの光る人影はもう出ないんですね!??」


興奮している館長さんの妙な迫力に、ちょっと引いたのは許して下さい。多分、バレてはいないと思います。


「はい、それは勿論、他にも怪しい物は祓いましたので、問題はありません・・・しかし、肝心の特定した物が難航していまして・・・、印籠なんですが、いわれなどをご存知ないかと思いまして」


龍崎さん、嘘は言っていません。お祓いはしていませんが、浄化しちゃいましたからね、私が。


「印籠・・・ あぁ、中村家からの品物ですね?」


しばらく考えていたらしい館長さんが、初めて伺う情報を出してくれました。


「中村家と言うのは?」


今回、事前に調べる情報が、まったく無い状態からのスタートです。本来ならば、最初に調べてからやるんですが、まさかの事態。初めての人選ミスを疑いました。


「中村家は、この辺りの豪商でしてね、祖先は力を持った武家であり、明治に入ると商家に転身し、財を成したという方々でして、此方にも数点、中村家からの品物がありますよ」


流石、歴史博物館の館長さんです。地域の歴史にも、お詳しいようですね。


「失礼ですが、どういった経緯で此方に?」


近くの歴史博物館とはいえ、かなりの品物です。手放すのが不思議に思えましたし、何より、寄贈や貸し出しでは無いのが気になります。


「・・・それは、・・・・・・実は、ここだけの話なんですが、中村家は少し前に、没落しましてね」


おや、思ったよりもヘビーな話のようです。先程まで、中村家の品物の話をしていた時より、口が重くなりました。


「・・・今の当主様に替わって、あそこは何をやっても上手くいかないようで、かろうじて、お屋敷を歴史民俗資料館にして、細々と暮らしていらっしゃいますよ、確か・・・同じ敷地内の隅に別宅がありまして、そこに今も住んでいたはずです、その際・・・・・先祖伝来の品を、幾つか売りに出したんです、当歴史博物館も幾つか購入致しました、・・・・・本来ならば、あの見事な花嫁衣装もと思ったんですが・・・・・いやはや、ご親戚が買ったとかで、惜しい事をしましたなぁ」


館長さんの不意な言葉に、龍崎さんと私の顔が強張りました。今、確かに、花嫁衣装の言葉が出ました。しかし、花嫁衣装は此方にもあったはずです。かなり、年代物でしたが。

思わず、私は口を開きました。何だか、聞かないといけない気がして。


「あのっ! その花嫁衣装は、どんな衣装だったのでしょうか?」


急な私の質問に、館長さんはきょとんとしてましたが、すぐに教えてくれました。


「確か、朱色に見事な鶴の刺繍がされた、素晴らしい品物でしたよ? いやはや、本当に惜しい事をしました」


未練たらたらな館長さんは、どうやらまだまだ続きそうでしたから、我々はそろそろお暇し、皆で情報交換です。調べなければならない事が出来ましたから。



◇◇◇◇◇


真由合さん、龍崎さん、他数名が館長さんと話してる頃。

私、清流院と雅くん、矢上さんは今一度、この歴史博物館を見回りをしていました。龍崎さんが居れば、彼方は大丈夫でしょうし。美鈴さんは頭の回転が早いので、心配していません。何かしら、有益情報があるのでは、と期待しています。

ちょうど、矢上さんが、九十九神になった花瓶を見ながら、疲れたように口を開いた時でした。


「それにしても、この歴史博物館、居すぎじゃないですか? 美術館とか、他の歴史博物館とか、行った事ありますけど、ここまでじゃ無かったですよ?」


納得というより、不思議に思ったのでしょう。余りにも居るという事自体が、慣れないようです。


「無害だし、いいんじゃない? 僕らが出動するようなのが、わんさか居たら、こっちが困るよ」


適当な雅くんの返事ですが、確かにその通りです。わんさか居たら、私も毎日毎日祈祷をする訳で・・・。慎んでご遠慮致します。


「そういうもん? まぁ、無害だし、それはいいんだけど・・・大物がさ、余りにも多いっていうか・・・まるで、ここに呼ばれたような?」


「・・・えっ?」


「成る程、そういう考えもありますね? 呼ばれた・・・もしかしたら、実際に呼んでいるモノがいるのやもしれませんね?」


矢上さんの考えは、確かに一理ありました。雅くん、考えて居なかったようで、難しい顔になっています。まぁ、見回った限りでは、危ないモノは見付かりませんでしたから、問題ないでしょう。

念のため、後でお札を貼る許可をお願いしましょうか。

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