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霊感探偵達の物語  作者: 秋月煉
推理は挽歌を奏で
42/79

2―8

長らくお待たせ致しましたm(_ _)m

次回は誠意執筆中です。

side:神戸 美鈴



一面の見事な椿の庭。その一角で、我々は早くも、怪異と遭遇していました。


「椿が・・・」


赤い椿が、白く変わっていきます。辺り一面の赤い椿は、今や半数が白い椿でした。


「神楽院が関わっていたとなると、何か厄介事が関わってくるわね・・・美鈴、あんた、おばあ様に連絡して、以前の話を聞いてちょうだい、あたしたちはもう少し、この椿を調べるわ」


真由合さんの言葉に、雅くんが反論します。


「いや、美鈴にはこのまま視ていてもらおう、この中で視るのは、美鈴が一番強いから、詳しくは後で聞いて貰おう」


「・・・確かにそうですね、我々も見えますが、やはり美鈴さんには劣りますから」


清流院さんにも後押しされ、私は引き続き、椿を観察します。

辺り一面の椿の木々達。サワサワと、風に揺れる様は、情緒があり、美しいです。けれども、赤い椿が、ゆっくりと白く変わっていきます。一輪、また一輪と。既に、半数を越えてしまったように見えます。


ーーーーーーー・・て・・・・


えっ? 今、声が聞こえた気がしました。他のメンバーを見ますが、彼らは気付いていないのでしょう。それに、ちゃんと聞こえないのです。気のせいでしょうか? サワサワと、椿が風に揺れています。


ーーーーーー・・・を・・て・・・


やっぱり! 声が聞こえます。サワサワ、サワサワと揺れる、椿に混じって。必死に聞き取ろうとするんですが、風に消されて、上手く聞き取れません。


「美鈴?」


何かを感じとったのか、雅君が問い掛けてきますが、集中している私は、返事が出来ませんでした。


ーーーーー・・・・・みこ・・に・・きを・・・て・・


何度も何度も、同じ言葉を言ってるみたいなんですが、風が強すぎて、聞き取れません。何かが、わざと邪魔をしているような・・・。

もう少しで、聞き取れそうなんですが。

そう思った次の瞬間、今までにない程、ゴウゴウとうねるような強い風が吹いて、思わず腕をクロスさせて、顔を覆い、足を踏ん張ります。


ーーーーーえ?


すぐに、違和感を感じました。辺りの気配が変わったんです。お寺の結界があるため、ここは外よりも正常な気が流れています。なのに、何だか木が騒がしいのです。先程よりも、何だか必死なような気が。


「はて? 今日はこんなに風が吹く等、予報では言ってなかったわい、おかしいのぅ?」


訝しげな和尚様は、見えない方のようで、気付いていないようです。遅れて気付いた清流院さん、真由合さん、雅くん。三人は、何が起きても大丈夫なように、注意深く辺りを警戒しています。


「美鈴、気を付けて、何かおかしい・・・!」


雅君が注意してくれた瞬間、また突風が吹き付けました。最初の突風よりも強く、体が吹き飛ばされそうです。


「雅さまっ!」


真由合さんの悲鳴じみた慌てたような声がして、そちらを見れば、雅君の体が飛ばされそうになっていました。


「雅君!」


私も慌てて、手を伸ばしたその瞬間、一瞬で視界が霧に変わります。


「・・・えっ?」


手は何も掴んでいませんでした。思わず唖然となりますが、辺りを見渡しても、自分以外の人が見えません。背筋から、冷たい汗が吹き出します。明らかに、異常事態です。だって、辺り一面、霧しか見えないのですから!!


「雅くん! 真由合さん! 清流院さん!」


呼び掛けますが、一切応答がありません。耳を澄ませても、あれだけ吹いていた風の音すらしないうえ、気配すらないのは、明らかにおかしいです。


「ここは、一体・・・って、えっ!!?」


急に視界が開けましたが、そこは、私が知る場所では、ありませんでした・・・。

辺り一面、真っ赤な椿の巨木が生い茂る、そんな場所だったのですから。動いたつもりはなくても、何らかの力が働いているのは確かです。


『ようこそ、我らの聖域へ』


急に頭の中へ、男なのか女なのか、それすら分からない声が聞こえて来ました。突然の事に、私は辺りを警戒します。勿論、辺りには椿の木が生い茂っているだけです。その椿も、通常の花より大きい気がしますが・・・・。


「えっ・・・・!? 誰ですか!?」


思わず、険しい声で問い掛けてしまいますが、今は非常事態です。私は、他の方と違って、自己防衛すら危うい立場なのです。警戒のし過ぎは仕方ないのです!


『我はここの椿の精霊、人の子よ、急に呼び出してすまなんだ』


・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・

・・

え?

椿の精霊様・・・・!?


人間、突然の事に、頭が真っ白になるというのは、本当らしいです。身をもって知るとは、思いませんでしたが。


『あそこでは、あの者を使い、邪魔が入る故に、そなたを招いたのだ、幼き巫女よ』


あの者? 邪魔? よく、分かりませんでしたが、どうやら何か大切な事を伝える為に、私をこの場に連れてきたようです。


『幼き巫女よ、そなたは白き巫女、闇の巫女が目を覚まし、そなたを狙っておる、闇の巫女に気を付けよ』


・・・・・闇の巫女?

初めて聞く、その言葉からは、不穏な気配がしました。口に出すのも、はばかられるような、そんな恐ろしい何かを、私は感じました。


「ずっと、それを教えて下さっていたのですか・・・?」


私に? 


「じゃあ、あの風は・・・?」


いくら疎い私でも、ピンとくるものはあります。恐らく、あれが妨害なんでしょう。声がまったく聞こえなかったんですから。


『そなたが一緒に居た者、因果な定めを持つ者が、あやつが目をつけ、故に今回、我等の邪魔をしたのよ、そなたを招く事が出来て、ほんに良かった』


最初の言葉は分かりませんが、邪魔をした人が、一緒にいた人の中にいたと言う事でしょうか・・・? 皆さんは、ちゃんとした術者の一族の方々ですし、依頼人は今回、初めて会った方です。邪魔をする理由がないような気がします。


「一体・・・誰が・・・」


もしかしたら、近くに誰か居たのかもしれません。その人が邪魔をしたのかもしれません。この時の私は、そうとしか考えられませんでした。


「巫女、ですか・・・」


闇の巫女・・・、私とは、正反対の響きを持つ、禍々しい意味の巫女。そんな存在が居るなんて、わたしは知りませんでした。多分、おばあ様は知っているのかもしれません。おばあ様の実家である、神楽院が知らないはずないですから。


『巫女よ、我らが花の色を変えるのは、警告』


「警告?」


穏やかではありません。花の色を変えなければいけない程の、警告。


『あの御神木が騒ぎ出しておる、巫女よ、早く力を付けるのだ、闇の巫女を勝たせてはならんのだ!』


余りにも強い思念と声に、気が遠くなります。例えるなら、いきなり何の覚悟もないのに、大音量の音楽を聞いたような感じでしょうか? 急にフラリとし、そのまま、何も遮る物がないため、地面にペタンと座り込んでしまいます。


『・・・すまぬ、巫女よ・・・・・』


「い、いえ・・・」


椿の精霊様が、申し訳なさそうに謝ってくれますが、先程の衝撃は予想外に強く、直ぐには動けません。こう、頭がグワングワンと揺れているような、そんな感じです。目眩がして動けない私は、残念ながら、立ち上がる事が出来ません。

はてさて、どうしましょう?

いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。

作者の秋月煉です!


今回は、謎が増えちゃったお話となりました。まぁ、勘の良い方は、ストーリーが読めちゃったかもしれませんが。

まだ、この章の謎は残ったままです。謎解きはもう少しだけ、お待ち下さいね。

次章は、ホラー要素満載&ミステリーにする予定です。


次回も宜しくお願いいたします!

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[一言] ん? もしかして、以前の時に何かある?
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