表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霊感探偵達の物語  作者: 秋月煉
推理は挽歌を奏で
39/79

2―5

長らくお待たせしました。申し訳ないです。

side:神戸 美鈴


「あの日、貴方が亡くなった日、何が起きたのか、話してくれますか?」


混乱しているらしい被害者の女性は、何とかといったふうに頷いてくれました。


『わ、わたし、あの日、いつもの時間にここに来たんです、私の駐車スペースは、ここって決められていて・・・・・、そしたらあの人がここにいて、ビックリしたんです、隠れるように後ろの席に乗ったのは、右のミラーで確認できました、いつもはそんな事ないし、あの人は、いつも助手席だったから、違和感があったの・・・、会話しようとしたら、いきなり・・・』


死ぬ直前を思い出したからか、顔色が悪いです。まぁ、既に亡くなっている訳だから、あくまで見えるだけ、なんですけれど。


「落ち着いてください、貴方の証言で証拠があれば、犯人を逮捕できます、何か覚えていませんか?」


『あっ、そうよ! 確かあの時、暗いから外が全然見えなかったの、わたし、暗いから、車の中にライトを付けたのよ、そしたら中が反射して見えなかったのよ』


「あら、それだったら、来ていた車の人が気付くんじゃない?」


真由合さんがツッコミますが、無理でしょう。


「それは無理ですよ、彼女の車は、距離が離れていて、外からも、中からも、見れなかったはずです、ここ、駐車場の真ん中よりも、外に近いくらいですよね? 奥に止めている同僚の女性は、メイクをする為にライトを付けていたはずです、外は見えませんよ、遠すぎて死角になったはずですし」


勿論、彼女が犯人ではない場合によりますが。


「他には?」


聞いてみますが、彼女も混乱しているみたいで、どうやらこれ以上の会話は無理なようです。


「弱りましたね、ヒントがあれば良かったんですが」


まぁ、少しヒントがあったので、そこは良かったんですが。


「犯人だれなのよ!?」


真由合さんは分からないからか、不機嫌です。後は雅くんが持ってくる情報次第ですね。


『あの人、何で・・・』


泣きそうな彼女が可哀想で、犯人に怒りがわきます。当然でしょう。彼女は、命を落としたんですから・・・。犯人のせいで。


「それにしても、彼女、綺麗よね・・・」


真由合さんの呟きは、多分、彼女の顔立ちの事でしょう。清楚な顔立ちの彼女は、死んで霊になっても、そこは失われていません。逆に儚さが追加されて、更に磨きがかかった気がします。

生前、かなりおモテになったことでしょう。まぁ、色々と揉め事もあったようですが。


「美人薄命とは言ったものですね・・・」


ポツリと、無意識に出た言葉でした。どう考えても、巻き込まれたとしか思えないのです。自分勝手な理由で、人を殺す。そんな犯人を、私は許せません!! 


「そうね、・・・犯人は許せないわ」


「えぇ、絶対に捕まえます・・・私は探偵だから」


それが彼女にとって、一番の供養になるはずですから。犯人を捕まえて、心残りを消してあげなければ。彼女の魂を、いつまでも現世に残す事になります。それは、いけない事ですからーーーーーーー。



◇◇◇◇◇


side:竜前寺 雅



中に戻ると、何だか変な事になってた。真由合は不機嫌丸出しだし、美鈴は静かにお怒り中だし、幽霊さん、もとい被害者は泣きじゃくってるし・・・・・何があったんだろう?

勿論、困惑したのは僕だけで、見えてない高瀬さんは、そのままだったけどね。空気が重たいよ。


「美鈴、どう? 何か分かった?」


期待混じりの声で、高瀬さんが美鈴に問いかけた。いや、高瀬さん? 貴方、美鈴の従兄だよね? 何で怒ってる美鈴に、普通に声をかけられるの!? 僕だって、空気読むよ!?


「そうですね、昼間からこの暗さですし、犯人は計画的に犯行に及んだみたいです、犯人は、よほど彼女に生きていてもらっては、困る存在なんでしょうね・・・・・この朝の静けさを、汚したんですから」


何だろう、美鈴の説明に、とてもトゲを感じる。被害者さんは、あまり、証言をしてくれなかったのかな?


「ゆう兄、容疑者の写真ある?」


美鈴の目が、怖い。何だろう、言い表せない恐怖を感じる。不機嫌丸出しの真由合も、この謎の気迫に、少し後退りしてた。多分、美鈴は無意識何だろうけど。


「あるが・・・、何か気になる部分でもあるのか?」


怪訝そうにしつつも、スーツの内ポケットから、何枚かの写真を取り出す。高瀬さんは、あまり美鈴に関わらせるつもりはないのかもしれない。

だって、最初から、違和感があった。知識を貸してくれ、謎を解いてくれ、って感じだけど。写真や物などは、ほとんど見せていない。聞いたら答えるスタンスだった。深入りはさせない、多分、それが高瀬さんのギリギリの許容範囲なんだろう。これで頼まなければ、良かったんだろうが、まぁ、これは仕方ないのだろう。


「ちょっと気になる事があるの」


そう、美鈴が言って写真を受けとるが、ここは暗い。明るい場所に動くと、被害者も一緒に付いてきた。・・・・この場合、憑いて来たが正しいのかもしれないけど。少し透けて見える被害者は、泣いているからか、目が赤い気がする。幽霊も、目は赤くなるらしい。


「やっぱり・・・」


美鈴が、ある一点を見ている。被害者も、写真を覗き込んだ。そして、ある人物を指差して叫んだ。


『こいつよ! 私を殺したのは!』


残念ながら、幽霊の彼女の叫びは、僕と美鈴、真由合さんしか聞こえない。つまりは、高瀬さんだけが、分からない。

思わず、急に耳の近くで叫ばれて、僕らは耳を押さえる。いきなり同じ行動をしたせいか、高瀬さんがビックリしてた。


「な、何かあったか・・・?」


かなり驚いたみたいだ。ギョッとした顔を見た美鈴が、小さく吹き出した。高瀬さんの顔が、面白かったらしい。


「ちょっと凄い音が聞こえたのよ」


「はぁ? 何も聞こえなかったぞ?」


「年なんじゃない?」


「俺まだ28だぞ!?」


あぁ、確かに僕らの中では年長だろう。僕と美鈴は10代だし、真由合も若いからね。美鈴、年で通す気満々みたいだ。

実際、年を取る毎に、聞こえる音域が少なくなっていくので、嘘ではないが、いいんだろうか? 高瀬さん、十分若いよね?


「はぁ~~~、で、犯人は分かったか?」


色々と言いたい事はあったみたいだけど、全て飲み込んで事件解明を優先したのは、刑事の鏡だろう。凄いよ、高瀬さん。


「うん、時間トリックも分かったよ、犯人はこの人」


美鈴は静かな口調で、写真の一人を指差した。


「詳しく調べたら、面白い事が分かると思うよ」


目が、怖かった。ただ静かに、その人物を見ている目は、全てを見通すかのようで、僕はその目から、視線が離せなくなる。ふと、美鈴が眼鏡をつけた。光に反射して、目元は見えない。ただ、何となく、悲しそうな雰囲気が気になった。


「そうか! ありがとう、美鈴! これで親父やじーさん達に、どやされなくて済む!」


かなり嬉しそうな高瀬さんを尻目に、僕は美鈴が気になった。さっきの悲しげな姿が。


「あ、三人とも送るね! これで事件は解決だ!」


ただ一人、高瀬さんがハイテンションで、浮いて見えたけど。多分、彼にとっては、この事件で色々あるからこその、このテンションだと思うと、止めるに止められない。


「終わったわね」


真由合の言葉が、全てを物語っていた。

お読み頂き、ありがとうございます♪

ようやくここまで書けました☆

犯人は、分かったでしょうか? 秋月、頑張ってみました。

次回からは、この続きになります。犯人暴露は、もう少し先です。お楽しみに!


只今、企画をしております。興味のある方は、秋月の活動報告まで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ