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こんにちは。
女子高生の母です。
娘は先日、屋上から飛び降り自殺で亡くなりました。
通夜と告別式を終え、ようやく落ち着いたところです。
彼女は遺書とボイスレコーダー、通学バッグ、外履きを屋上に遺していったそうです。
『 今、遺書やボイスレコーダーを見つけて読んでくれている、聴いてくれているということはもう私はいなくなっているでしょう。
私は自分の名前で「エゴサーチ」をすることがたまにありました。
すると私に対する書き込みがいっぱいあって凄く辛かったです。
実は私、「ネットいじめ」にあっていたのです。
もう私は生きる価値なんて何もないと思い、この遺書を書きました。
そして、この文面をボイスレコーダーにも録音してあります。
お父さん、お母さん。
いつも私を大切にしてくれてありがとう。
あたたかくて美味しいごはんをありがとう。
お父さんとお母さんはこの結果に納得がいかないことは分かってるよ。
私はもし、お父さんとお母さんが望むのならば、裁判を起こしてもいいと思ってる。
お世話になった先生方。
今回のことでかなり迷惑をかけたと思います。ごめんなさい。
「ネットいじめ」は私のように傷つける原因にもなるということを知るきっかけになったでしょう。
これからは私みたいに傷つく人が現れないように、学校側でできることを実施してみてはいかがでしょうか?
そして、ネットに私の悪口とか書き込んだ人たち。
この高校に通っている人かもしれないし、他の高校に通っている人かもしれないから分からないけど、いくつか質問します。
そんなことして愉しかったですか?
私みたいに傷つく人がいることに気がつかなかったのですか?
相手の立場に立って考えられなかったのですか?
私のお母さんは中学校でスクールカウンセラーの仕事をしています。
私もお母さんみたいなカウンセラーになりたいと思ってましたが、叶わずに終わっちゃった。ごめんなさい。
もう書くことや話すことがなくなっちゃったから終わりにするね。
最後までまとまりがなかったけど、読んでくれて、聴いてくれてありがとう。
みなさまの人生に幸あれ!』
以上が娘が遺した遺書の文面です。
同じものがボイスレコーダーに入っていました。
現在、娘が通っていた学校ではいじめについてのアンケートは以前から実施していたそうですが、今回のネットいじめに関しては学校側は無知のようでした。
今年度より朝のホームルームの時にスマートフォンの回収し、帰りに返却する。
生徒会が中心となってSNSでは人が嫌がる書き込みをしないように呼びかける活動を始めたと仰っていました。
娘には「ネットいじめには気をつけなさい」「何かあったら相談しなさい」と言い続けてきましたが、彼女にとっては言いづらかったのかもしれません。
娘が亡くなった今、私たち夫婦は裁判を起こすことを検討しています。
これが娘にとって復讐となるならば、私たちは生きている限りですが、どんなに裁判に時間がかかっても、残念な判決が下されても戦いたいと思います。
2025/10/08 本投稿
次回、本日23時20分頃「エピローグ」更新予定。




