#2
わたしが彼のことを「無資格医じゃなくてよかった」と言ったことに理由がある。
それは「医療ミス」が起こるかどうかが心配なのだ。
「つわりの方は落ち着きましたか?」
確か彼は有資格者のため、多少は安心できる。
私は「ええ。多少は……」と答えた。
「ところで、奥様。本日、旦那様は戻られるのですか?」
「旦那は今日は夜勤で当直。私は今日と明日は連休。わたしみたいに医師と看護師が1つ屋根の下で暮らしてもすれ違いとかばかりだからね……」
「そうでしたか……実は私のところもすれ違いが多いもので」
「医療従事者はこうなる運命なのか……」
医療従事者の夫妻はこんな関係が現実なのである。
そして、今も…………。
「わたしはあなたに相談したいことがあるの」
「それはなんでしょう?」
「「マタニティハラスメント」という言葉は知ってる?」
「ええ。私は多少の知識しかございませんが、「マタニティハラスメント」という言葉は存じています」
「……実は私、それに遭っているの」
「そうでしたか……話を続けてください」
わたしはようやく彼に悩みを話すことができた。
あとは相談にのってもらいつつ、彼にサポートしてもらおう。
2017/09/25 本投稿




