「好き」を語るには、なにかが足りなくて。
ちなみに天の川見れませんでした。
「趣味はなんですか?」
――その質問が、時々私を悩ませる。
この質問のやっかいさは、“趣味”という言葉と、それを聞く人との距離感にある気がする。
「趣味」とは「人が好き好んで行うこと、その対象」を指すが、受け手によっては「その人が得意なこと」という印象を持ってしまうかもしれない。
例えば私の趣味には歌が含まれるが、特別歌がうまいわけではない。
それどころか、このエッセイの他のエピソードでも言っているようにカラオケで過去最低点を更新し続けている人間である。
それなのに、「趣味は歌」と言ったら「歌ウマな人間」だと勘違いされてしまうのではないか――――
そんな不安が、私にはある。
あと、相手と初対面だったり、あまり話したことのない人の場合。
相手に固定概念を植え付けてしまいそうだからだ。
私はこのサイトで投稿しているように、小説を書いているが、「小説を書くのが趣味」と言ったらどのようなイメージをもたれるのか。
私には周りに「小説を書くのが趣味」と公言している人がいないのでわからない。
「小説を書く人って、なんか自分のことをすごいって思ってそう。」そんな印象も、あるかもしれないという怖さ。
どんな趣味にも、勝手にイメージがくっつく。
でも、人間はそんなに一筋縄ではいかない。
昨日と今日で「好き」の比重が変わる、私みたいに。
と、ここまで「趣味はなんですか?」という質問についてつらつらと述べてきたが、別に私が言った趣味を覚えているような人はほとんどいないだろうから、そこまで深く考えなくても良いのかもしれない。
私の胸の中には、私の「好き」がしまってある。聞かれれば取り出そう。――相手が、とりだしても良いと思えるひとなら。
これが本当の私だっ




