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「どんな願いもひとつ叶えてやろう」の答えがわかった。

「いつでも○○○できるようにしてほしい」

私は最期にこう言った。


別にもったいぶるつもりはないので、答えが知りたければ最後のページをめくればいい。


ただ、私が一生をかけてたどり着いた答えに間違いはなかったと今は強く思う。


私が最初にソレに願った願いはひどく乱暴なものだった。


「私は今からひとつ願うが、失敗したら人生をやり直してもう一度なんでも願いを叶えてくれ」


ソレは言った。

『ワハハ!おもしろい!よかろう何度でもやり直すがよい』


私が最初に願った願いは「私をゲームでなるべく負けないようにしてほしい」だった。


最初にしてはおかしな願いだろうか?


これでもけっこう考えたのだ。


「女の子全員に惚れられる」全員を相手をするのが大変だ。「お金持ち」お金で愛は買えないし満たされない。「永遠の命」最期は必ずひとりぼっちだ。「世界最強」になったら誰と戦うのだ?そもそも戦いたくない。「相手の心が読める」私の心がもたないよ。「時間停止」いろんなマネキン触れて楽しいか?「巻き戻し」分岐点があるのはゲームだけで充分だよ。……ね、けっこう考えたでしょ。


そこで私は『恋愛』やら『健康』やら『永遠』などの退屈になりそうなものを事前に排除して、今流行りのeスポーツとやらでワクワクドキドキしながら人生を謳歌することに決めたのだ。


我ながら最初にしてはうまくいったほうだと思う。


絶対に勝つわけではないというドキドキ感が私に興奮という喜びを与えてくれた。

私はチームを組み、大会を連覇してそこそこ名の知れる存在になった。

時には仲間と涙し、時には喜びを爆発させて人生を謳歌したのだ。


結局、世界大会三連覇のかかった試合前に相手国の暗殺に遭って殺されてしまった。


「なに不自由なくゲームをできて、なるべく負けないようにしてほしい」という願いにすればよかったと思ったが、ゲームは散々やったので次は別の願いをすることにした。


次の願いは失敗だった。


「ラッキースケベをください」


なんて最低な願いだろうと思った?


これでも悩んで悩んで悩んだあげくに、刺激と憧れを詰め込んだ男にしかわからない切実な願いだったのだ。


すぐにやり直すことになったが、最初の願いよりは後悔はなかった。


街を歩けば風でスカートが捲り、道路の曲がり角では女の子にぶつかり胸が顔に挟まった。


幸せだったな~。ドキドキしたな~。


でも、うまくいかなかったなぁ~。


……ま、お気づきかもしれないが、全部『気まずくなりました』。


そりゃそうだよ!扉を開けたら女の子が着替えているし、みんな前屈みになって胸元見えるし、短いスカートのまま脚立に上がったりするけど、最後は必ず目が合って「きゃ!」「あ……あはは……すいません」の繰り返しだよ!!


「ラッキースケベをください。その後、僕に恋に落ちてください」は最初に考えたけど、たくさん恋をするのは大変だし、ひとりの女の子にそんなことさせたら、ただのドジっ子MAXだよ!!


その後、少し反省した私は「保護犬、保護猫を集めてテーマパークを作りたい」という願いを叶えてみたが、ものすごく大変で偽善者の私には無理でした。なんか、ごめんなさい。


次の願いはランキングにしたらたぶん1位になるであろう「健康で幸せな人生を過ごしたい」にしたのだが、ある意味正解だったのですが、なんと言いますか……本当に幸せに過ごしたのですが……、


「普通過ぎて小説にならない」……でした。


別にいいのですよ!私が幸せなら!あなたがた(読者)の幸せなんて!!正解と言いたいです!正解と言いたいところなのですが……、少し難しい話になってしまいますが、幸せだと不幸な人を羨ましく思ってしまうのです。決して不幸になりたいわけではないのですが……。


でも、誰も不幸にならない、平凡な人生の話を誰が聞きますか?知らない人の不幸な話、好きでしょ!?誰々が浮気したとか、離婚したとか、怪我したとか病気とか……ワクワクするでしょ!!ねっ!!


……失言でした。他人の不幸は甘い密でしたっけ?少し違いますか?まぁ、そういうことです。


少しひねくれている私は、次の願いを「私に関係のない人達が少しずつ不幸になりますように」という願いを試してみましたが、こんな最低な願いの結末を聞きたいですか?


……本当に聞きたいですか?


教えちゃいますよ……。


……けっこう楽しかったですよ。へへへ。


さて、ではそろそろ正解を発表します。


他にも幾度となく、いろんな願いを叶えてもらってきましたが、万が一にも単行本にでもなったら、その時に存分に御披露目します。特に何回かは流行りの『転生』をした話もしたかったのですが、話が長くなるので転生話は本屋で読んでください。


では、私が最終的にたどり着いた「どんな願いも叶えてやろう」の答えを発表します。


それは、「いつでもぐっすり寝れるようにしてほしい」です。


ん?期待外れですか?


正直、どんな願いもうまくいかずに悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで、いつも不眠症でした。

「寝なくても大丈夫な体にしてほしい」なんてバカな願いをしたこともありましたよ。人生の何%も寝てるなんてバカげている!!人生の半分を損している!!なんて、……バカは私でした。


1日を有意義に過ごして、ぐっすり眠れる。


これ以上の幸せ(願い)はありませんでした。


他にあったら教えてください。


まぁ、私はこれから最期の眠りにつくのでコメントは返せませんがね。


最期に何度目かのソレが何か言いたそうだったが、私は何も気にせず眠りにつくことにした。


それでは、おやすみなさい。


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