表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました  作者: 神山 りお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/669

92 モニカの呟き



「じゃがいも、濾したら入れていいの?」

「いいよ~~」

 と莉奈が言えば、ザルで濾したじゃがいもを、各々寸胴に入れた。

「私……砕けたじゃがいも……好きじゃない」

 その瞬間、ボソボソと背後から呟く声が1つ。モニカだ。

「食べなきゃいいんじゃない?」

 だれも、無理して食べろとは言ってはいない。クリームシチューの時もそうだけど、文句は言うけど、どうせ食べるに違いない。

「…………」

 



 ……うっわ、出たよ無視!!

 コレ、絶対に出来たら食べるでしょ!!



「んじゃ、次は、さっきの炒めた たまねぎに、小麦粉を入れて軽く炒めて下さいな」

「小麦粉を入れて、炒めるのかい?」

 リック料理長が訊いてきた。

「この間作った、ホワイトソースを作るの」

 そう、この方法で作った方が、ダマになりにくく、なめらかに仕上がるのだ。

「方法が違うんだね?」

 料理人としては、何故違うのか気になるらしい。

「用途によって、それにあった簡単な方法で作るの」

 グラタンの時は、具材を炒めた後に、小麦粉を入れて作れば、失敗知らずだ。簡単だし適当にでも出来る。

「へぇ~。なるほど」

 そういうと感心した様だ。


「粉っぽさがなくなるまで炒めて、まだ粉っぽかったら少しバターを足して、炒めてみて」

「「「は~~~い」」」

 スープにする分の小麦粉を入れて炒める。粉っぽさが残らない程度に炒めれば、とりあえずはいい。

「うん、いい感じ。次は、そのまま1人は炒めたままで、もう一人が牛乳をゆっくり注いでいって……」

 これで、ゆっくりかき混ぜながら仕上げれば、ホワイトソースは完成する。皆は言われた通りに、炒めている横からゆっくりと牛乳を注いだ。これ実は、多少ドバッと牛乳を入れても、大丈夫なのだ。

 小麦粉とバターだけで、炒めて作る場合は、牛乳をゆっくり入れながらではないと、ダマになりやすい。だけど、具材を炒めた所に小麦粉を入れてから、牛乳を注いでくとドバッと入れても、ダマになりにくいのだ。なんでだろうね。

「私……ミルク煮……好きじゃない……」

 モニカがまた、ボソボソと呟いた。



 あなた、そう言っといて結局、牛乳のたっぷり入ったシチュー食べましたよね?



「じゃあ、寸胴に5カップの牛乳と、そのホワイトソースを入れて、よくかき混ぜて」

 まぁ、牛乳は好みだろう。ミルク感が好きならたっぷり入れればいい。じゃがいもらしさを残したいのなら、なめらかにする程度に入れればいい。

「あぁ~」

 と牛乳を入れれば、モニカがまた残念そうに呟いた。



 ……ねぇ? どうせ食べるんでしょ?

 黙っててもらえませんかね?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ