表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました  作者: 神山 りお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/669

78 誰が勝つのかな?



 クレープ生地は簡単だ。基本的に薄力粉、卵、牛乳、砂糖、塩、油を混ぜて出来る。その中で、薄力粉を強力粉に変えたり、卵を抜いたりで、モチモチにしたり、カリカリにしたりで特色を出したりも出来る。

 香りを楽しみたいのなら、生地に少しラム酒を入れると、また雰囲気が違って面白い。まぁ好みだろう。莉奈は、一般的なクレープにする事にした。



「……あっ、エド~」

「なんだよ?」

 食堂と繋がっている小窓から、エギエディルス皇子がひょこっと顔を出した。



 仔犬みたいで、超可愛い~~~!!



 莉奈は萌えを必死に堪えた。

「クレープにククベリーのジャムか、リンゴのコンポート、どっちがいい?」

 たまにデザートに出てくる、少し酸っぱめのリンゴがある。紅玉と一緒でジャムにしてしまえば、美味しいだろうと思ったのだ。

「えっ!?」

 エギエディルス皇子の瞳が、キラキラと輝いた。ククベリージャムは知っているが、リンゴのコンポートは初めてだからだ。

「コンポートってなんだ?」

「簡単に云うと、甘さ控えめのジャム」

 細かく云うと、ジャムより果実を崩さない、形をそのままで甘さ控えめに煮たもの。

「……ど……」

「……ど?」

「どっちもは……ダメか?」

「……アハハ……いいよ? 両方ね?」

 欲張りだな……と思いつつ莉奈は笑った。まぁ、初めての物は気になるか。ククベリーのジャムはまだ残っているし、クレープ生地を冷蔵庫で冷やしている間に、リンゴのコンポートを作る事にした。



「…………うぉぉ~~~!!」

 たまねぎスライスも終盤なのか、変な気合いを入れる声がする。

 見た感じだが、リック料理長率いるベテランチームがわずかに一歩リードしている。ちなみに2位は、マテウス副料理長率いる中堅チームだ。

「……うっわ……みんなスゴい顔だし……」

 莉奈がさっき換気するまで、たまねぎ臭がそのままだった事もあり、目は赤いし酷い顔だ。

「リックさん!! リックさん!! ファイトー!!」

「マテウスさん!! 頑張って~!!」

 順番を終えた人達は、応援に回っている。最後は、リック対マテウスになった様だ。



「「「よっしゃ~~~!!」」」

 マテウス率いる中堅チームが、最後の最後で追い抜き、僅差で勝ったみたいだ。たまねぎ半分も差がない。肝心のたまねぎスライスは薄くキレイに出来ていた。もう少し雑になるかな、と思っていた自分が恥ずかしい。さすがはプロでした。

「優勝チームは……マテウスチーム!!」

 莉奈が、そういうと歓声に包まれていた。皆が楽しそうで、見ていた莉奈も嬉しかった。普段は淡々と仕事をするだけだから、たまには競うのも面白いよね。



 まぁ、敗けたチームはもれなく、地獄の罰ゲームが待ってるんですけど。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ