76 採ってきて
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眠気と、戦いながら書いております。
冬の布団、ぽかぽかで最高です。
「ラナ、モニカ……」
「「…………はい」」
包丁が使えない=参加できない=ご褒美がもらえない。
その構図が、浮かんだのか二人に覇気がない。莉奈はあからさまにガッカリしている二人に苦笑いだった。
「非番の侍女って、何人集められる?」
「……出掛けてしまってる可能性も考えると……10人くらいかしら?」
ラナが考えながら答えた。せめて前日から言っておけば、もう少し集められたかもしれない。
「……10人か」
「集めてどうするの?」
モニカが訊いてきた。莉奈が何をしようとしているのか興味が出た様だ。
「お菓子作ってあげるか――」
「「何をすればいいの!?」」
話し半分ですぐに、ラナ、モニカが食いついてきた。さすが甘味。
「ククベリー採ってきてよ」
熟したのがいっぱい生っているのに、そのまま腐らせるのはもったいない。だが莉奈1人では限界がある、ご褒美ついでに採ってきて貰おうと思ったのだ。
「いいわよ!!」
「お菓子作って貰えるとなると、非番じゃない侍女にバレたら大変な気もするけど……」
モニカは二つ返事だったが、ラナは不安を口にした。ククベリーを皆で採っていれば目につく。そして、何かがあると悟られバレたら、確かに揉めそうである。
「非番じゃない侍女には、そだな――」
と、莉奈はどうしようか考える。侍女全員には絶対ムリだ。量もそうだが、何もしていないのに貰えるなんて、手伝ってくれた侍女達が不満がるだろうし。
「ジャンケンで何人かにあげる……ってのはどう? 手伝えなかったのは、非番じゃなかったからって事で諦めてもらおう」
じゃなければ、キリがない。あげなきゃあげないで、次々と何かにつけて、手伝わせてって来るかもしれない。妥協点だろう。
「……えぇ……それは、いいわね。モニカ、なら早速行きましょう」
「は~い。リナ頑張ってくるわね!!」
と、ご褒美が確定した二人は、ルンルンと厨房から出ていった。




