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聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました  作者: 神山 りお


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67 濃厚アイスクリーム

 いつも閲覧ありがとうございます!!

 ブックマーク、評価して下さった方々ありがとうございます。

 執筆のモチベーションが上がります。

 その分、楽しんで戴ける様に頑張りたいと思います。


 では、小説をどうぞ!!



「あ~、疲れ……」

「……おいっ!! 黙れ!!」

 後から来た警備兵を慌てて黙らせた男達。

「あ? なんだ……うぇっ!?」

 また一人また一人と驚愕し口をつぐんだ。

 無言で目で訴える方向を見れば、そこには絶対ない光景が。いる訳のない面々がいたのだ。

「なんで……へ、陛下達が……」

「しらねぇよ!!」

「な、何してるんだよ?」

「わかんねぇよ……ずっと、なんか鍋? を囲ってやってるのは見たけど」

「鍋?」

「たぶん、鍋だったと思うけど……すきまからしか見てねぇしわかんねぇよ」

「は? なに作ってるんだよ?」

「……だから~わかんねぇよ……、陛下がここで何を作るってんだよ?」

 皆は、小声でボソボソと話をしてはいるが、参加してない莉奈やエギエディルス皇子には丸聞こえだ。二人で目を見合わせて苦笑いしていた。



 アイスクリームっていう氷菓子を、国王陛下 宰相様御一行が、一生懸命作ってるなんて、考えられないよね。

 私だって見ててなんか変な感じだ。フェリクス王なんて、ヘラ回してる姿が可愛く見えてきちゃうし…シュゼル皇子は、魔法を使ってるのに、ほんわかとして余裕綽々で楽しそうだ。

 


「リナ~。だいぶ固まりましたよ~」

 シュゼル皇子が、寸胴を冷やしながらほのほのと言った。

 さすがこの国一の賢者だ。魔法を使いながら話しかけるなど、さらりと難しい事を簡単にやって下さる。

「は~い。今、いきま~す」

 配膳係をやっていた莉奈は、トレーを厨房の小窓に置いてパタパタと呼ばれた方へ向かった。

「こんな感じで、どうですか?」

「……ん。では失礼して」

 フェリクス王から、木べラを受け取りひと混ぜ。

 ソフトクリームよりやや固め。アイスクリームとしてはいい感じである。固さをチェックした莉奈は、魔法鞄(マジックバック)から小皿とスプーンを取り出した。そして出来立てホヤホヤのアイスクリームをひとすくいし口に入れた。



 な~に~こ~れ~!!

 超、美味しいんですけど!!



 調整されていない生乳で作られたアイスクリームは、牧場で売られているアイスクリームかそれ以上に濃厚でクリーミー。おそらく、莉奈が今まで食べてきたアイスクリームの中で一番と言ってもいい。



「リナ? どうですか?」

 わくわくしている様な、シュゼル皇子が訊いてきた。

「すっごい、美味しいです。完璧ですよ!!」

 とありのまま伝えた。

「そうですか!! では、早速……」

 シュゼル皇子が味見をしようと考えていたそれを

「昼食に致しましょう!!」

 と莉奈はぶった斬る。だって、まずはご飯だし。

「…………ふぇ?」

 シュゼル皇子は目が点になり、変な声を出していた。それほどまでに衝撃だったのかもしれない。

「さっ、今すぐ御用意しますからね?」

「……あ、味見は?」

「私が、責任をもって致しましたので、大丈夫ですよ?」

 と、ニッコリと微笑んだ。こうでもしないと、アイスクリームだけ食べて、満足してしまうかもしれないからだ。

「…………」

 シュゼル皇子は、しょんぼりしてしまった。

 少々、罪悪感を感じるが致し方ない。

「よっこらしょっ」

 莉奈は、アイスクリームの入った寸胴を魔法鞄(マジックバック)に入れた。

「お前は、ババァか」

 まさかの、フェリクス王の突っ込みが入った。

「そんな事を言うと、何も作りませんよ?」

 と、莉奈は厨房に行きつつひと睨み。

「何を作ってくれるんだよ?」

 フェリクス王はニヤリと笑った。莉奈の不敬は気にならないらしい。

「俺、からあげーーーからあげがいいー!!」

 余程気に入ったのか、エギエディルス皇子が手を挙げ主張した。

「からあげね~。リックさん達にも、味見程度ならあげてもいい?」

 とエギエディルス皇子にお伺いをたてる。そもそもそんなに大量にはないし、王宮ではピラミッドの底辺に近いモニカや下っ端は口に出来ないだろう。

 ただでさえ、匂いで涎をすすっているのに、食べれないなんて酷だと莉奈なりに配慮した。

 よくぞ言ってくれた!! とリック達は、莉奈を熱い眼差しで見ていた。

「リナに任せるー!!」

 と、エギエディルス皇子。



 出たよ!! 秘技・丸・投・げ!!



「じゃあ、作りますか」

「「「よっしゃあぁ~!!」」」

 一部の料理人達がガッツポーズをしていた。

 あれだけ、口から泡吹いたり、顔面蒼白だったのに忙しい人達である。

 






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