633 世界最強の……?
最新話を読んで、あれ? と思った方……∑(゜Д゜)スゴっ
実は、蹴り飛ばしたキラーホーンエイプを、岩に変更しております。
……ので、602話を少しだけ、手直しました。(^^)
ここにて再活用。( ・∇・)勿体ないので
しかし、ここはヴァルタール皇国ではない。
良かれと思ってやった事が、余計なお世話となり、国交問題に発展する可能性もある。
ましてや、ウクスナ公国はこのキラーアントを、防波堤の様に使っているのだから、勝手に倒すと何だか問題になりそうだ。
「碧ちゃん、ちょっと旋回して、先頭を走るキラーアントの上に行ってくれる?」
だからって放っておくのも、気持ち的にイイ気分ではない。
助けられる可能性があるなら、莉奈はそれに賭けたいと思う。
『倒すんですか?』
「倒さないよ!」
どうして、どの竜も莉奈が倒す方向へ考えるのか。
数匹ならともかく単位が百となれば、さすがの莉奈でも無理である。
碧空の君は莉奈の反論に眉根を寄せつつ、キラーアントの上へ向かって低空飛行してくれた。
戦わないとしても"何かする"と察したらしい。
「リナさん、何するの?」
地上には無数のキラーアント。
その魔物に向かい、莉奈が何をするのかマリサも気になった。
「"エサ"をあげようかと」
「エサ!?」
キラーアントは家畜やペットではない。
なのに、"エサ"とは? とマリサの目は驚きで見開く。
「よっこらしょっ!」
碧空の君が、キラーアントの先頭に来た瞬間、莉奈は魔法鞄から、あの気持ちの悪い死骸を取り出せば、マリサがうぷっと口を塞いだ。
そう、莉奈が取り出したのは、あのキラーホーンエイプの死骸である。
どうせ食べられないのだから、世の為人の為に役立ってもらおう。
フェリクス王が、魔物を誘き寄せるために使おうとしていたモノが、すぐに役に立った。
ドスンドスンと派手な音を立てて、キラーアントの群れの中に死骸が落ちれば、血の匂いに誘われたみたいで、ジンとレイから距離が出来た。
落とした死骸には、あっという間にキラーアントが群がり、もはや黒い塊だ。
「リナーーッ、グッジョブよ!!」
その様子を見ていたアーシェスから、歓喜の声が聞こえた。
莉奈が点々と落とした死骸のおかげで、群れの大半がそちらに向かい、ジンとレイを追うのは数匹となっている。
後はどうにかなるかなと、莉奈がホッとしていればーー
ーーパシュン!
と背後から風を切る様な音が聞こえ、2人を追っていたキラーアントの首が、弾け飛んでいた。
「くうぅぅっ!! やっぱり竜騎士カッコイイーーッ!!」
一部始終を見ていたマリサが、瞳をキラキラさせて痺れている。
飛行する竜から、動く対象物に何かを当てるだなんて、超高度な技術が必要だ。それを、目の前で見たのだから、感動で身体が震えているらしい。
ちなみにそんな離れ技をやったのは、背後にいたフェリクス王と、少し離れた所にいるローレン補佐官である。
ジンとレイを追っていた数匹を、大弓でサクサク倒していた。
「スゴッ!!」
弓を射るその姿と、一寸の狂いもない見事な技術に、莉奈は語彙力をなくした。
安定感があまりない竜の上から、大弓でキラーアントを仕留めるなんて、最高にカッコ良過ぎる。
フェリクス王が使う武器は、勝手に剣や刀だけだと思っていた。なのに、他の武器まで使えるだなんて、カッコ良過ぎて言葉が出ない。
そんな莉奈達の存在に、やっと気付いたのが地上を走る2人である。
「「……っ!?」」
驚愕の表情を浮かべているのが、遠くからでも分かった。
後ろから迫るキラーアントの大群の方ばかりに集中していて、上空に何かいるだなんて気付かなかったのだろう。
それが、背後のキラーアントが倒された事で、コチラの存在に気付いた様である。
しかし、気付いたら気付いたで、今度は違う意味で驚いているみたいだ。
なにせ、竜が空に見えただけではなく、それが黒い竜だとなれば、目を見張るのも頷ける。
黒竜はこの世で唯一無二の存在。もちろん、それに乗る人間も唯一無二。
それがもはや誰かなんて、言わなくとも理解出来たハズ。
"ヴァルタール皇国の国王様、御降臨"である。
何故、ココに? と思うよりも先に、圧倒的な存在感を目の当たりにし、目も口もアングリと開けたまま、2人は魔馬で走っていた。




