580 爽やかな朝
「「「ごちそうさまでした!!」」」
朝から大満足なランデル達は、手を合わせていた。
片付けている莉奈を見れば、軽く会釈までするからつい笑ってしまう。
エギエディルス皇子もふぅとため息を吐きつつ、まったりと紅茶を飲んでいる。
「何かデザート食べる?」
「食べる!!」
デザートは別腹のエギエディルス皇子は、瞳をキラキラとさせていた。
そんなエギエディルス皇子に出すデザートは、何がイイかなと莉奈は魔法鞄をあさる。
朝なら色取りの果物に、ヨーグルトを入れて食べるのもいいだろう。ミキサーがあればスムージーが出来たけど、ないので作れなかった。
朝食はパンケーキでも良かったのかなと、莉奈はデザートを出しながら思っていた。
「やった、苺だ!」
エギエディルス皇子が嬉しそうにしていれば、それを見たランデル達は目を丸くさせていた。
「「「苺にシーザードレッシングがかかってる!」」」
「え?」
そんなモノを苺にかけたかなと、小皿にのった苺を見た莉奈。
練乳はかけてあるが、シーザードレッシングなどかけた覚えはない。
「シーザードレッシングじゃねぇよ。"練乳"」
苺を食べ始めたエギエディルス皇子は、ランデル達が何に騒いでいるのか気付いた様だ。
確かに、白いソースが練乳だと知らなければ、そう思っても仕方ないのかもしれない。
「「「練乳?」」」
練乳と聞いたところで、練乳が何かなど想像出来る訳もなく、ランデル達は頭にクエスチョンマークをのせていた。
だが、次のエギエディルス皇子の言葉に、莉奈すら納得する。
「苺を美味しくする魔法のソース」
「「「"魔法のソース"」」」
言い得て妙なその言葉。
莉奈の中でも、練乳をかける果物=苺だ。
同じ様な酸味の強い果物でも、レモンやグレープフルーツに練乳をかけるイメージはない。
スーパーにある苺売り場でも、ちょいちょい練乳が置いてあるのを見かけるが、他の果物のコーナーに置いてあるのはあまり見た事がなかった。それくらい苺と練乳は相性抜群である。
「食べます?」
「「「食べます!!」」」
ランデル達のお尻には、あるハズのない尻尾が見えた気がした。
「苺がすっげぇ旨い!」
「な、な! 味が濃いな。しかも、この白いソース。ヤバイくらい美味しい」
「うっわぁぁぁ〜、スゴく甘くて美味しい!! あたし、練乳の風呂に入りたい!!」
「「練乳風呂」」
マリサが大袈裟なくらいに騒いでいれば、ランデルとハービスは呆れていた。
美味しいけど、さすがに練乳風呂は言い過ぎだ。
「んん〜、美味しい」
アーシェスも気に入ったのか、口を綻ばせていた。
苺もシュゼル皇子が採って来てくれたブラックベリーだから、酸味がほどよく味が濃い。そこに練乳まで合わさると、口いっぱいに幸せが広がる。
「リナ、茶」
甘い物が大の苦手なフェリクス王は、朝からゲンナリしていたけど。




