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聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました  作者: 神山 りお


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305/676

305 瞳がどうなるの?



「「「シュゼル世界最強伝説」」」

 莉奈の無邪気な言葉に、皆複雑そうな表情をして呟いていた。

 莉奈は一体何を想像しているのだろうか?



「あの……リナ?」

技能スキルなんて、模写コピー出来るんですね!!」

「えぇ、まぁ」

「ドンドン模写コピーしちゃって下さい!!」

「……」

 シュゼル皇子が苦笑いして訊いてみれば、耳を疑う返事が元気良く返ってきた。

 ドンドン模写して……。

 そんな返答にますます困惑するシュゼル皇子達。



「お前……嫌じゃねぇのかよ?」

 エギエディルス皇子が呆気の表情で訊いていた。

 自分だったら、貴重な能力を模写コピーされるなんて気分が悪い。絶対にイヤだ。

「え? 全然? だってただの模写コピーでしょ? 取られてなくなる訳じゃないし、体重を視られる方がウン千倍ヤダよ」

 ラナ女官長にスリーサイズを視られていた方が、どれだけ衝撃だった事か。

 今は、勝手に視ないでと念を押してあるけども!!

「……体重」

 エギエディルス皇子はもう何も言い返せなかった。

 何故そんなモノと莉奈は比べるのだ。比べるレベルが違う。むしろ体重なんかどうでもイイと、エギエディルス皇子は思った。



「ちなみに模写コピーする時ってドコか痛くなったりしますか?」

 莉奈は、シュゼル皇子に疑問を投げかける。

 模写自体に抵抗感はまったくないが、痛かったりするのはご免である。

「何も感じたりはしないと思いますよ」


 シュゼル皇子はそんな簡単に快諾した莉奈に、ある意味感服しながら答えた。

 自分はされる側ではないから、する側の意見でしかないが、過去にそんな事例はない。なんなら、バレずにこっそり模写コピー出来たりもする。

 だが正直、絶対に断られると思っていたシュゼル皇子は、内心驚いていたのだった。



「痛くないなら、イイですよ」

「ですが、私のの変化に気分を害さなければ良いのですが」

 改めて承諾してくれた莉奈に、シュゼル皇子は自身の変化に怯えて欲しくないと断りを入れた。

「え? が変化するのですか?」

「えぇ、少し」

「白目になるとか……グルングルン回るとかですか?」

 それだと怖いなと莉奈は眉を寄せた。

 だって、こんな美形のシュゼル皇子が白目とか、ホラー映画の様な目はイヤ過ぎる。

「白目」

「グルングルン」

 シュゼル皇子は笑顔のまま固まり。エギエディルス皇子が、心底気持ち悪そうな表情をしていた。

 兄の目玉がグルグル回るのを、想像したのかもしれない。

 少し離れて聞いていたゲオルグ師団長とタール長官も、苦笑いしていた。



「残念ながら白目にもなりませんし、目も回りませんよ。ただ、瞳の色とかが変わる様ですね」

 莉奈の想像力はある意味恐ろしいと、シュゼル皇子は笑う。

 そして自身の変化は見た事がないので、見た者の話を伝える。

「なんだ、色が変わるだけ。最悪、第3の目が額から出てくるのかと思ってました」

 莉奈があっけらかんとスゴイ事を言った。

 それを聞いた皆は、複雑な表情のまま一瞬固まっていた。想像力が逞し過ぎる。

「「第3の目」」

 ゲオルグ師団長とタール長官は、珍しく顔を見合わせて苦笑いする。

「そんな気持ちの悪い技能スキルなんかいらねぇ」

 例え模写コピー能力があったとしても、そんな気持ちの悪い姿になるならいらないと、エギエディルス皇子は呟くのであった。




「本当に良いのですね?」

「どうぞ?」

 改めてもう一度確認してくるシュゼル皇子に、莉奈は快諾した。

「そんな無邪気に言われると、なんだか悪い事をしている気分になりますね」

 シュゼル皇子はそう言いながら、莉奈にゆっくりと近付いて来た。



 怖いより、間近にシュゼル皇子がいてドキドキする莉奈。顔が紅くなっていなければイイなと思う。




 そして、右手で莉奈の頬をそっと包み込んだ瞬間ーー



「触れる必要なんかねぇだろ!?」

 そんな呆れた様なツッコミと共に、兄シュゼル皇子の傍からエギエディルス皇子が、ドスンと体当たりしていた。

 渾身の体当たりにシュゼル皇子はフラリと横に飛ばされた。

「何をするのですか? エディ」

 まさか、弟に体当たりされると思わなかったシュゼル皇子。少し驚いた様にしていた。

「それはコッチのセリフだし。模写コピーするのにリナに触る必要なんかねぇだろ」

「まぁ、そうですけど」

「けど何だよ?」

「なんだか可愛らしくて」

「はあァァっ!?」

 あんな発想する女のどこが可愛いんだ? とエギエディルス皇子は驚愕していた。

 これからする事を話しても、莉奈は怖がるどころか楽しそうに笑う素振りまで見せた。

 シュゼル皇子は、そんな風にしてくれた彼女がなんだか可愛く見えていたのだ。だから、つい無意識に頬に触れていたのだった。









 読んで頂きありがとうございます♪

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 これからも楽しんで頂ける様、頑張ります。

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