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聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました  作者: 神山 りお


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300/676

300 仲良し兄弟



「盛り付けが綺麗ですね……ブラッドバッファロー?」

 厨房の会話が丸聞こえだったのか、この牛肉風がブラッドバッファローだと分かっているシュゼル皇子が、ほのほのと訊いた。

 シュゼル皇子も今さら莉奈が、魔物の肉を出した所で驚かない様である。

「軍部の方が獲って来たのを私が【鑑定】し毒味をした後、陛下とエドに御賞味して頂きました」

 まぁ、私の場合、毒味というより味見なんだけどね。

「エディはもう食べたのですか?」

「すげぇ旨かった。ベリーソースはなかったけど」

 隣に座るエギエディルス皇子は、興味津々の様子で兄の皿を覗き込んでいた。

「リナ、小皿を」

「はい」

 シュゼル皇子に言われて小皿を出せば、少し取り分け弟にあげていた。

 ベリーソースはまだ食べてないと聞いたので、分けたみたいだ。

 莉奈は仲が良いな……と顔が綻ぶ一方で、これがアイスクリームだったら分けるのかな? と内心苦笑いが漏れていたのは内緒である。



「んんっ! ベリーソースを付けると肉の味が全然違う。三角が丸みたいな感じ」

「三角が丸?」

「エドが食べた、三角もどうぞ」

 シュゼル皇子は弟が言った、三角とか丸の表現が理解出来なかったみたいで首を傾げていた。

 エギエディルス皇子の表現が面白いと莉奈は笑う。食べてみると分かるのだが、言い得て妙である。

 なので、莉奈はエギエディルス皇子が食べた塩胡椒味のステーキも魔法鞄マジックバッグから取り出した。

「んっ。確かにこちらは塩気と肉の味がダイレクトにきますね。逆にこちらはソースがフルーティで肉がマイルドに……ん〜ソースが美味しい」

 三角と丸の意味が分かったみたいである。肉や塩気がガツンとくるから三角で、マイルドにくるから丸の様だ。エギエディルス皇子が言っていたのはそういう事だろう。

 シュゼル皇子はブラッドバッファローの肉に、たっぷりのベリーソースを絡めて食べていた。

 肉よりソースに食い付いている気しかしない。

 そして、ソースのおかわりは? って顔をされたので別添えでベリーソースを出してあげるのであった。



「はぁァァ。私はこのために、生きているのかもしれません」

 当然、ステーキを食べたらデザートは? となる訳で……。

 ククベリーソースの付いたミルクアイスクリームと苺の果肉が入った苺のアイスクリームを出したら、シュゼル皇子が感嘆の声を上げていた。

 大袈裟過ぎて怖いんですけど?

 エギエディルス皇子も呆れているよ。



 結局シュゼル皇子は、シビレをきらしたフェリクス王が鉄拳を喰らわすまで、たっぷりまったりほのほのと寛いでいたのであった。

 え? 片付けはって? 

 皇子様にさせる訳にはいかないでしょう。




 ーー数10分後。




 侍女や料理人達が総出で、後片付けに追われている。ガシャガシャとガラスを片付ける音だけが、食堂に響いていた。

 エギエディルス皇子はいないけど、この光景にデジャブを感じるのは気のせいだろうか?



 真珠姫のおかげでますます、竜は怖い生き物だと認識されてしまっている。竜は賢く気高い生き物なのに、複雑な気分だ。



 とりあえず、皆総出で片付けをしているのに、自分だけ高みの見物は気が引ける。

 手伝おうと考えた時、ふと思う。



 エギエディルス皇子がりゅうを迎えたお祝いをしてあげてないな……と。



 ここにいる皆でパーティーをやるのもイイけど、あまり大袈裟にしても、エギエディルス皇子がドン引きしそうだ。

 でも、何かしたいな。

 莉奈が出来る事といったら、エギエディルス皇子が喜ぶ食べ物を作る事だろう。

 明日は何か豪華な物でも作ってあげようと、莉奈はさっそくメニューを考えようと厨房を後にしたのであった。





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