16 地下牢
寒い日が続きますね。
携帯があまりにも冷たくて、落としそうになった今日この頃でした。
「……少し、お痩せになられましたね……」
シュゼル皇子は、莉奈の部屋を訪れるなり そう言った。
……まさかの、デジャブ~。
つい最近その言葉聞きましたよ。
しかし そんなに、変わりましたかね?
っていうか、私的にはあなたの顔色の方が、気になるんですけど……?
ご飯 食べてます?
"鑑定" で何て出るか、すごい興味あるんですが……視えはしないけど。
………まぁ、ちなみに私は、太りぎみから……ぽっちゃりに変わりましたよ?
〈状態〉
いたって健康……
……だが、まだぽっちゃり。
自分で自分を鑑定しといてなんだけど……何なの? 私の鑑定魔法。
鑑定魔法にも、個人差がって言ってたけど……何なの?
ダイエットしろって事?
鑑定球にも、そういえば私のだけ、イヤがらせの様に "太りぎみ" って表記されてたよね。
……魔法省長官には表記なかったのに……。
まぁ、別に彼は太ってはいないけども……私のだけ、一言多い!
……え? この世界、私に厳しいの? デブに厳しいの?
ねぇ、デブ探し出して、片っ端から鑑定していい……?
それで他の人が "健康" のみだったら……絶対この世界 私にケンカ売ってるよね?
………張り倒す!!
莉奈は、異世界に対して秘かに、挑戦状を叩きつけるのであった。
◇◇◇
シュゼル皇子に、エギエディルス皇子に逢いたい旨を伝え、今 地下牢に向かっている。
地下牢の名に相応しく、階段を降りるにつれ、薄暗く薄ら寒い。
よく、地下や洞窟は温度が低いって、聞いた事があったが本当に寒い。
ヒヤリとした冷気、ひょっとしたら違う "霊気" も漂っているのかもしれない……。
この世界、幽霊とかいるのかな?
いたとして、やっぱポルターガイストな感じ?
それはそれで興味あるんですが……。
この世界、知れば知る程すごいな…と思う。
電気なる物はないけど、魔力でランプが点灯するなんて便利だ。
魔力がなくても "光" と、声を出せば点くし、なんだったらタッチパネルでも点く。
パネルやランプの中に "魔石" なる物が入っていて、それに反応 連動するとかって言ってた。
まぁ、電池みたいな使い方に近いのかな?
魔石の魔力がなくなると色が薄くなり、新しいのに替えるらしい。
魔法のある原始時代じゃなくて良かったよ。
だって、使えるけど活かせない世界だったら、ウホウホ言って棍棒と魔法を振り回して………。
うん、そんな世界だったら、そもそも "聖女" を召喚する発想力がないか。
あまりの寒さに、頭が働かないらしい………。
え? いつもそうだろ? って?……はいソコ! そう言う事 言わない!
◇◇◇
地下を何階か降りた先に、あの例の魔導師達がいた。
魔導師6人は、2人ずつ8畳程の牢に入れられている。
石畳の床に、簡易的な木のベッド。寒さを凌げる程度の毛布。
そして、食事用の小さな木の丸テーブル。椅子はないが、奥にトイレっぽいのが見える。
一応、見えない様にはなってる。
足元 頭上には、少し空間があるけど…これでも逃亡の恐れがないからこその配慮らしい。
完全に、逃亡する恐れがある罪人の場合、便器がなんとなく隠れる程度の、扉が付いてる独房に入れられるそうだ。
中でなんかしない様に、顔もガッツリ見えるとか…。
……誰かに監視されながら……用は足せないカナ?……たぶん。
監獄レストラン、監獄ホテル、現在では色々あるみたいですね。
行ってみたいですけど、入りたくはないです。
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