表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました  作者: 神山 りお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

132/676

132 どの口?



「……オイ!! リナを揺さぶり殺す気か!?」

 本気でヤバくなってきた莉奈を見て、エギエディルス皇子が止めに入った。入ってくれた。

「え? おや、失礼」

 エギエディルス皇子に、言われゲオルグ師団長は、やっとその手を離した。脳ミソを激しく揺らされた、莉奈の意識が、飛び始めていた事にやっと気付いた様だ。

「大丈夫か、リナ?」

 もはや、泡を吹く一歩手前な莉奈の顔を、エギエディルス皇子が、心配そうに覗いた。

「…………ダイジョバナイ」

 本気で、揺さぶられていないにしても、頭が首がグワングワンする。さすがは軍人。

 本気で揺さぶられていたら、間違いなく首がもげていたに違いない。

「ハハハ……。リナは大袈裟だな」

 と声高々に笑うゲオルグ師団長。



 ダメだこりゃ。


 ……とりあえず、笑っとけばどうにかなる……って思っているタイプだ。体型の差、半端ないんですけど?

 私の頭、あなたのお腹の位置にあるの、わかってます……?

 それくらい差があるのに、揺さぶったらダメでしょうよ。



「大袈裟違う」

 莉奈は断言した。

 マジでクラクラしているし。された事がないから、わからないのでしょうけど。

「仕方がないな……ほら、ポーションだ」

 ゲオルグ師団長は仕方なさげに、はぁ……とため息を吐くと、腰に提げた魔法鞄(マジックバッグ)からポーションを取り出した。



 ……そういう問題ではない。



 莉奈は反論を諦め、無言でそれを頂き自分の魔法鞄(マジックバッグ)にしまった。

 いちいち、ポーションで済まそうとするこの異世界。確かに便利だけど、それに染まるとシュゼル皇子の二の舞だ。

 使わなくても平気なら、極力使いたくはない。頂ける物なら、慰謝……保険としてもらいますけど。

「飲まないのかい?」

 とゲオルグ師団長。使わずにしまったから、疑問に思ったらしい。

「酷い様なら飲みますよ」

「リナは、我慢強いんだな」

 ハハハ……と高笑いしていた。

 すみません、我慢させる様な行動……しないで頂けるかな?



「いやぁ、しかし、チーズオムレツはどんな味がするのかね?」

 余程食べたいのか、まだ言うゲオルグ師団長。

 だが莉奈は、作りたい気分ではない。

「卵とチーズの味がする」

「それぐらいは、想像出来る!! そうではないんだ!!」

 そっけなく言った莉奈に、訴えるゲオルグ師団長。あくまでも、作りましょうか……と言わせたいらしい。

 なんで、作って欲しいと素直に言わないのかね? 作りたくはないけど。

「そうなんですか? では陛下、殿下、私はこれで失礼致します」

 こっちからは絶対、作りましょうか……なんて言わないからね?

 莉奈は、ゲオルグ師団長の言ってる事を、あたかも知りません、わかりません……という体にして執務室から出ようとした。

「うわっ、うわっ、うわっ!!」

 ゲオルグ師団長は、慌てて莉奈の右手首を掴んだ。

「………………あの?」

 と白々しくキョトンとして見せる。止めた理由はわかってますけどね。

「どうして、わかってくれないんだ!!」

 となんだか、眉毛をハの字にして切実に訴えている。



 面倒くさいなぁ、察してちゃんかよ。



 莉奈は、いよいよ面倒臭がり始めていた。

 フェリクス王達は、ハッキリ言わないゲオルグに呆れていた。

「ゲオルグ……食べたいのなら、ハッキリそう言わなければダメですよ?」

 やり取りを、微笑ましく見ていたシュゼル皇子が、優しく諭した。

「お前……どの口で言っている?」

 先程、自分も言わなかったクセに、何を言っているのだ……とフェリクス王。

「この口ですが?」

 何か? とシュゼル皇子はニコリ。

「……………………」

 フェリクス王は、当たり前の様に言う弟に、文句も何も返す気力が起きなかった。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ