表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました  作者: 神山 りお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

122/676

122 御機嫌いかがですか?



 ……ニコニコニコ。



 まだ、シャーベットを出してもいないのに……シュゼル皇子は満面の笑みである。

 持って来てはいるけど、万が一出来ていなかったり、違う用事で来ていただけだったら……どうなっているんだろう。

 考えたくもない……な。



「………あの、フェリクス陛下も、こちらにどうぞ?」

 莉奈は、執務机から一向に動かないフェリクス王に、声を掛けた。フェリクス王のための氷菓子も作って来たからね。

 しかし……氷菓子に全く興味がないので無関心。

 チラリと一瞥した後に、再び書類に目を通し始めた。



 ……まさかの無視!!



「「…………」」

 エギエディルス皇子と莉奈は、顔を見合わせ小さく笑った。

 自分は食べない甘味だから、どうでもいいのだろう。

 お酒のシャーベットを味わっても、同じ事を言うのかな……と。


「……フェル兄、絶対興味出るから来てみなよ」

 全く腰を上げない兄王に、エギエディルス皇子は笑う。

 同じ兄でも、こうも違う態度に笑うしかなかった。

「……チッ……」

 ものスゴく不満げに舌打ちをした。

 末の弟に言われてやっと、仕方なさげにその重い腰を上げたのだ。

 


 ……こっわ……マジで不機嫌だよ。



 原因というか、元凶らしきお人は、ほのほのしてますけど……。



「早くこいつの口に、氷菓子を突っ込んで追い出せ」

 やっぱり……シュゼル皇子が元凶らしい。

 いつから一緒にいたのかは知らないけど、理由がくだらなすぎて失笑もでない。

 ドカリと上座に座ったフェリクス王は、ほのほのと微笑むシュゼル皇子をひと睨み。

「ふふっ……シャーベットですよ?」

「…………黙れ」

 思いっきり渋面顔になると、吐き捨てる様に言った。

 心底出ていけ……と思っているに違いない。



 莉奈は、魔法鞄(マジックバッグ)からジンライムのシャーベットを取り出すと……

「……心中……お察し致します」

 ……言わなくてもいい一言を添えて……コトリと、ジンライムのシャーベットを、フェリクス王の前に置いた。

 透明なガラスの小さな器に入った、薄黄緑色のジンライムのシャーベットは、光にあたって宝石の様にキラキラして見える。

「………くっ………察するの……かよ……」

 フェリクス王は、莉奈のその物言いに小さく笑った。

 まさか、そんな返しが莉奈から、返ってくるとは思わなかった様だ。

「…………リナ」

 シュゼル皇子は、優しく優しく微笑むと名を呼んだ。

 どういう意味ですか……と。

「はい、なんでしょう。この国随一の賢者であり、王の右腕、シュゼル宰相様」

 だから、ニコリと優しく微笑み返しをしてみた。

 宰相様が、陛下の邪魔をしてはいけないだろう……と。

「……………………」

 シュゼル皇子は、微笑みながら、時が一瞬止まっていた。

 莉奈が、自分に対してそう応えるとは、思わなかった様である。

 氷の執事イベール様も、一瞬時を止めていた程だ。



 ……くくっ……。



 至極満足そうな、笑いが1つ。

「…………兄上。」

 あくまでも優しく睨む。迫力は微塵もない。

 逆に、色気さえ感じるから不思議だ。

「お前に、そんな返しが出来る女がいたとはな」

 とさらに笑った。

 不敬過ぎる莉奈の言動は、兄フェリクス王には心地いいらしい。

 裏がある態度も、おべっかばかり使うヤツ等も、辟易しているからだろう。

「…………」

 それにはシュゼル皇子も、ただ困った様に笑う事しか、出来なかった。




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ