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聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました  作者: 神山 りお


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108/676

108 弟みたいで、可愛いよね



「……はぁ~食った食った」

 沢山食べれて大満足だったのか、エギエディルス皇子がお腹をさすりながら言った。

 厨房にいると、色んな人の、色んな目線があるから、量はそんなには食べれない。

 ……というか、あそこで大量に食べていたら、そのうち睨み殺されてしまうだろう。

 …………おもに、モニカにだが……。



「……美味しかったですね~。レモンをかけるとまた、サッパリいただけて」

 至極ご満悦なシュゼル皇子は、イベールの淹れてくれた紅茶をのんびりと飲んでいた。

 今までポーションばかり飲んでいた割には、結構からあげを食べていたと思う。少食……という訳ではなさそうだ。意外な驚きだった。

「からあげ、旨いよなぁ~」

 エギエディルス皇子も、沢山食べれてご満悦らしい。

「レモンは平気だった?」

 塩からあげにもかけて食べていた様だから、訊いてみた。

「逆にサッパリして旨い。からあげがいっぱい食える」

 と嬉しそうに言うから、莉奈の口はついつい綻びる。

「そっか、それは良かったね……あっ、食後のデザート食べる?」

 可愛さマックスな幼い皇子には、ついつい甘くなる。

「食べる~~!!」

 ほら、可愛い。

 笑顔が弾けるって、こういう事だよね。

 モニカも見習えばいいのに……美人が台無しだよあの人。



「……私にも、頂けますか?」

 とシュゼル皇子は、小首を傾げてニッコリと微笑んだ。



 …………おふっ。



 鼻血が出そう……って、こういう心理か!!

 男が小首なんか傾げても、普通だったらイタイのに……。

 シュゼル皇子は、イタイどころか眩し過ぎる。

 モニカさん!! これだよこれ!!

 この美し過ぎる笑顔を向けられたら、皆モニカに食べ物譲ってくれ……。

 ……たりはしないか……。

 皆、食べ物に対しての執着心、どうかしてるもん。



「焼きリンゴ、作って来ましたけど、食べ……お召し上がりになられますか?」

 丸々1個ではなく、4分の1にカットしてある。好き嫌いもあるだろうし、それに1個じゃ多いしね。

「焼きリンゴ……ですか?」

 小首を傾げて訊いたシュゼル皇子。

 初めての物はやっぱり、想像出来ないよね。

 簡単な説明がてら、出そうとしたら……隣から声が。

「違う……"焼きおリンゴ様" だよ」

 エギエディルス皇子が、いたずらっ子の様に、クスクスと笑いながら言った。

 まだ、あの説明がツボにハマっているらしい。

「……え? ……焼き……おリンゴ……様?」

 シュゼル皇子は、なんとも云えない表情をした。笑いを堪えている様な、苦笑いの様な……。

「…………大層なネーミングだな?」

 フェリクス王は、くつくつと笑っていた。

「……エ~~ド」

 少し睨みながら莉奈は、からかってくれた皇子の名前を呼んだ。



 ……フェリクス王達の前で、なんでそれを言うかな?  



「アイスクリーム出してあげようと、思ったけどあげな~い」

 莉奈は、わざとらしく怒った様に言って魔法鞄(マジックバッグ)から手を離した。

「えぇ~~!?」

 と衝撃的な声を上げた。せっかく、アイスクリームをくれる予定だったのに、余計な一言でなくなったからだ。

 そんな、エギエディルス皇子を無視して莉奈は、のんびり紅茶を飲む。

「ゴメンってば~!」

 とエギエディルス皇子が慌てた様に謝ってきた。デザートが貰えないのは余程、イヤな様だ。

「……ふふっ」

 スゴい可愛い。思わず笑いがもれた。

 背伸びしないで、素で接する様になったエギエディルス皇子は、ものスゴく可愛い。





 

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