偽れぬ想い
貴重な休日を迎えたある日、アーロンは約束通りバルジーにつきあってゴンドールへと向かった。
以前のように日の出前に出て、日中に仕事を済ませる。
相変わらずうっそうと茂った密林が広がり、遠く、鳥や獣の声が木霊する。人に侵されることのない自然の地は、生き生きとした生命の匂いで満たされている。
久し振りに見たゴンドール大陸は、アーロンの目にどこか懐かしく映っていた。
見通しの悪い奥地を避けて動き、幸い、幼獣に会うこともなく仕事は無事に済ませることができた。
バルジーに言わせると、日が出ているうちは、普通幼獣にもめったに会うことはないそうだ。あの時海で出くわしたのは相当運が悪かったということらしい。
「この奥に進むと、さすがに居そうだしなぁ…」
未練を残し、バルジーは密林を覗き込む。
「お嬢ちゃんが居れば、どこでもいけるのにーっ」
悔しそうに地団駄を踏むバルジーに、アーロンは「リンはもう来ないから」と冷たく告げた。
「なんだぁ?!」
「行きたくないって。あんたに会いたくないみたい」
バルジーは目を見張ってしばし呆然とし、やがてひどく情けない顔になった。
「そんなこと言わないでくれよぉ~」
「仕方ないだろ。嫌われちゃったんだから。俺がいつでも付き合ってやるから、諦めな」
バルジーは納得いかなそうに約束が違うと文句を言ったが、そのかわり、報酬はいらないと言ってなんとか説き伏せた。
そして平和にゴンドールを後にして、アーロンは無事ローランドに帰りついたのだった。
◆
ある日、アーロンとキースが並んで訓練場に現れると、それに気付いた兵士が数人駆け寄ってきた。
何かあったのかと思い「どうした?」と先に問いかける。兵士の1人が深刻そうな表情でアーロンに詰め寄った。
「隊長補佐!ローラとどういう関係ですか?!」
不意を突かれ、思わず絶句した。
「最近、よく一緒に帰ってますよね!?」
いつの間に見られていたらしい。別に秘密にする気はなかったが、改めて聞かれると答えに迷う。アーロンは目を泳がせながら、曖昧に頷いた。
「あー…、うん」
「恋人なんですか?!」
核心を突かれ、うっとまた答えに詰まる。その真剣な目から、彼もローラに憧れていたのだろうことが伺えた。
色々と気持ちが分かるだけに申し訳なく、アーロンは鼻の頭を掻きながら目を伏せた。
「えっと……、うん」
兵士達が言葉を失くして固まる。キースが隣で特に興味もなさそうに「へぇ」と呟いた。責められるかと思いきや、兵士はみるみる勢いを失い、しおれていった。
「そうですかぁ…」
返って来た言葉はそれだけだった。意外にあっさり退かれて拍子抜けする。
落胆の様子を見せながらも、彼は「それならしょうがないかぁ」と独り言のように呟いた。周りの兵士も「仕方ないな、諦めな」と彼の肩を叩いて慰める。
「隊長補佐が相手じゃ、敵わないって…」
「…うん」
二人のやりとりに、アーロンは目を見開いた。思わず一歩距離を詰め「今、なんて??」と割って入る。
「…え?」
「なんて言った?今」
「え…!?」
怒らせたのかと思ったらしく、兵士は狼狽する。
「いや、あの、俺達じゃ、隊長補佐には敵わないなぁと…思っただけで…、すみません!」
アーロンは我が耳を疑った。手合いに関して敵わないと言われたことはあっても、男としてそう言われたことは過去を遡っても一度も無い。
「……すげぇ、俺!!」
兵士達はそんな彼の言葉に一瞬目を丸くしたが、やがてぷっと吹き出した。笑いが伝染し、その場の空気が和んでいく。
キースはそんな光景を、彼等の一歩後ろで、笑みを浮かべて眺めていた。
◆
その日の夜、ローランド王城の兵士寄宿舎の食堂ではローラが忙しく働いていた。厨房に入り、食事の準備を手伝う。その隣に、侍女仲間のミリアムがやってきた。
「久し振り」
ローラが声をかけると、ミリアムは「うん」と応えた。けれども笑顔は無く、明らかに沈んだ様子で溜息を洩らす。
「…なにかあったの?」
聞かれるのを待っていたのだろう、ミリアムは「最近、キース様と会えない…」と即座に不満を訴えた。
またキースの話らしい。ローラは幾分うんざりとしながら「そう」とだけ応えた。話を続けたくはなかったが、そんなローラの気持ちは伝わらなかったようで、ミリアムは聞いてとばかりに続ける。
「部屋に行っていいですかって聞いても、忙しいって断わられちゃうんだもん。最近、なんだかそっけないんだぁ~…」
彼がそっけないのはいつものことじゃないだろうか。そう思いながらも口には出さず、「潮時だと思う。マシューのこと大事にしてあげて」と言った。
「うぅ~ん…」
ミリアムは”つまらない”というように不満気な声を洩らしたが、ローラがそれ以上相手をする気が無いことを察したのだろう、諦めたように仕事にとりかかった。
ローラは厨房での仕事を終えると、食堂に出た。
その途端、キースの姿を見付けてしまう。彼は1人で夕食をとっていた。
金色の髪の男性は他にいくらでも居るのに、何故彼ばかりがこんなにも目立って見えてしまうのだろう。目が離せないことが苦しくて、胸が痛くなる。
挨拶をする必要などない。気付かなかった振りをしていればいい。どうせキースが自分を気に留めることなどないのだから。そう思いながらも、足は言う事をきかず、その場を動こうとしない。気配を察したのか、キースの瞳がふとこちらに向けられた。
その瞬間、ローラは引き寄せられるように彼のもとへ歩いていた。
「こんばんは」
ローラに声をかけられ、キースは「お疲れ様」と返した。
何か用事だろうかと、黙って自分の前に立つローラが口を開くを待つ。けれども彼女は落ち着きなく瞳を動かし、やがて「失礼します!」と頭を下げた。
そのまま去って行こうと背を向ける。
キースはふと思い立って、「ローラ」と彼女を呼びとめた。振り返ったローラは、驚きに目を見開いていた。
「聞いたよ。うちの隊長補佐をよろしく」
他愛もない挨拶のつもりだった。けれどもローラはまるで重大な秘密を言い当てられたかのように凍りつく。
そんな反応を不思議に思いつつ、キースは「…どうした?」と問いかけた。
「いえ…」
ローラは我に返ったように首を振った。
「そうなんです。お付き合い、させてもらっていて…」
「そうらしいね」
ローラは目を伏せ、胸元で拳を握った。
「…すごくいい人です。私には、勿体無いくらいで。本当に…」
ゆっくりと噛み締めるように語るローラの言葉に、キースはふっと笑みを洩らす。
「……”いい人”か」
”――いい男ね”
皮肉にも、頭の中ではグレイスの言葉が再生される。キースの何気ない呟きを捉え、ローラはとっさに問いかけた。
「違いますか?」
「……違わない」
キースはそれ以上何も言わなかった。またローラから目を逸らし、食事を続ける。
ローラはそんなキースに「失礼します」と頭を下げると、逃げるようにその場を去っていった。
◆
やがて、リンの誕生日がやってきた。13歳になったのだ。
友人同士で予定されているリンの誕生会は休みの日に行われるということで、当日はいつものようにローラ姉妹と4人で食事をしながらのささやかなお祝いとなった。
「おめでとう」
アーロンはそう言って、リンへの贈り物を渡した。
贈り物は小柄なリンでも扱いやすいようにと、小振りの剣だった。女の子に対する贈り物としては変わってると言ってローラは笑ったけれど、貰ったリンはとても喜んでいた。
不意にキャリーが、「明日はルイのおうちでお誕生日会だから!」と告げる。
「分かってる、分かってる」
「リンも私も居ないから、2人きりになれるねっ」
キャリーが無邪気にアーロン達をからかった。
「何言ってるの…」
ローラは咎めるような声を出したが、言われてみればその通りだった。
恋人同士になってからゆっくり2人になったことなど一度も無かったが、それが明日叶うらしい。
隣のローラに目を遣ると、彼女は目を伏せ俯いていた。気まずい間に耐えるように。
からかわれたことを恥ずかしく思っているのか、それとも…。
その横顔に映る感情を読みとることなど不可能で、アーロンは思考を進めるのをやめた。
そしてグラスを手に取ると、中のぶどう酒を一気に煽った。
「明日…会える?」
夕食の片付けの時、二人になれた隙を突いて、アーロンはローラに問いかけた。
何気ない風を装ったけれど、恐らく上手くはいかなかった。ローラの目に緊張の色が浮かぶ。一瞬迷うような間を置き、「うん…」と頷いた。
「……良かった」
そう呟きながらも、何故か安堵感は無かった。それきり沈黙が流れる。
そこに漂う不自然な空気に目を背け、アーロンは無心で洗い物を続けた。
◆
翌日、リンとキャリーはルイの家を訪ねた。
ルイの誕生日の時とは違い、ロディ、シーラ、パティなど、沢山の客が押し寄せたが、ルイの家族は全員を温かく歓迎してくれた。
皆それぞれ持ち寄った贈り物を、リンに渡して「おめでとう」と声をかけてくれる。
心のこもった祝福が、とても嬉しかった。
アリステアに居たころ、リンの誕生日はなるべく目立たないようにひっそりと祝われていた。それは、父と母がカーラ王妃に気を遣った結果だということは今ならよく分かる。
懐かしい父と母を思い出し、リンは胸が熱くなるのを感じた。
あの頃と同じような温かい気持ちでまた誕生日を迎えられる奇跡に、心から感謝する。
沢山の愛情が、今も自分を包んでくれている。出会えた友人達と、そしてアーロンと…。
―――私、幸せだよ…お父様、お母様…。
目を閉じれば、姿が見える。
―――キース…。
食事をしている間、リンはルイの隣の席に座っていた。みんなの中ではそれが当たり前のようで、自然にそこに誘導されてしまったのだ。
リンとしては告白の返事を待ってもらっているだけに、少し落ち着かない。
「ルイ、今度私達と一緒にデートしようかっ」
突然シーラが突飛な提案をし、周りが「おぉー!」と沸いた。ロディは困ったように苦笑する。そういう冷やかしには、リンは相変わらず反応できず俯いてしまう。
ルイは特に動揺もせず「だめだよ」と返した。
「まだ、俺の片想いなんだから」
リンの心臓がドクンと音を立てる。
「きゃぁぁ、ルイったらぁ~!」
「リン、そうなの?ルイのこと好きじゃないの??」
ルイの家族の前なのに、なんて質問をするのだろう。リンは耳まで真っ赤になって黙り込んだ。
好きか好きではないかという問題なら答えは簡単だった。ただその気持ちが特別なものかと問われると、分からないだけで。
恋人同士というのはどういうものか、友達と何が違うのか、自分がルイに何を求められているのか。
分からない事が多すぎて、途方に暮れてしまう。
「ちょっと、困らせないでよ」
ルイが助け舟を出して皆をたしなめた。
ルイにそう言われると、それ以上なにも言えずに皆口を閉ざす。ほっとして肩の力を抜いたリンに、不意にルイが言った。
「…でも、いつかちゃんと返事を聞かせてね」
周りがまた歓声に包まれた。
ルイの家族はただ目を丸くしている。
そしてリンは真っ赤になって俯いたまま、騒ぎがおさまるのを待つしかなかった。
◆
リンがお誕生会を楽しんでいる頃、アーロンは仕事を終えたローラと落ち合っていた。ローラはいつものように笑顔でアーロンを迎えてくれた。
そんな表情に何故かほっとする。
「…行こうか」
「うん」
そう言って、並んで歩いた。
いつもと変わらないローラに安堵したのも束の間だった。買い物を終えて家路につくと、ローラの様子は少しずつ変わっていった。他愛のない話を振ってみるけど、あまり耳に入らないようだ。上の空の相槌にそれが窺える。
もうすぐ家に着く。そうしたら2人きりになる。その事実を前に、不安を感じているのが伝わって来る。
そんなローラに、アーロンはどうしたらいいのか分からなかった。
ただ、緊張しているだけだろうか。少し怖いと思っているのだろうか。
それだけなら、いいと思った。
アーロンの家に着くと、ローラは「お邪魔します…」と言いながら先に部屋に入った。
そして荷物を置くと、いつものように「夕食を用意するわ」と慌しく炊事場に入る。急ぐ必要など無いのに、少しも落ち着く気はないようだった。
アーロンも荷物を置くと、炊事場に向かった。慣れた様子でそこを使うローラが居る。
勝手を知っているのは当然だ。何度もここで2人で料理をしたのだから。
ローラは自分の、恋人なのだから…。
野菜を取り出して作業を始めたローラを、アーロンはただ黙って見詰めていた。
いつもだったら隣で手伝うところだった。そうしないでただ見ているだけのアーロンに気付いているはずなのに、ローラは手元の野菜から目を上げようとしない。
一心不乱に作業するその姿は、まるで必死でアーロンの存在を忘れ去ろうとしているかのようで、なんだか堪らなかった。
「ローラ…」
呼びかけると、ローラが手を止めた。そしてそのまま「なに?」と応えた。その目はやはりアーロンには向けられない。
「……俺の部屋、行こう」
考えるより先に、言葉が出ていた。
ローラが凍りついたように固まる。野菜を握ったまま見開かれた目は、何も映していない。
「俺が、怖い…?」
アーロンの問いかけに、ローラはとっさに首を横に振った。けれども動こうとはせず、2人の間には、重い沈黙が流れた。
「いい加減な気持ちじゃないよ…」
不意にアーロンが呟いた。
「分かってもらっていると、思ってるけど…」
ローラは俯いたまま、ゆっくりとぎちこちなく頷いて応えた。
息詰まるような空気の中、アーロンは結局自分からローラに近寄った。
その腕を掴んで引き寄せると、ローラの手から野菜が離れて、その場に転がる。アーロンの腕の中で、ローラはいつものように彼の唇を受け入れた。
唇が離れると、アーロンはローラの目を真っ直ぐ見詰めて囁いた。
「部屋に、行こう…」
ローラは躊躇いつつ、やがてコクリと頷いた。
暗い部屋に入ると、アーロンはローラの体をベッドに横たえた。
硬く目を閉じたローラの唇に、何度もキスを落とす。そうしながら、片手は彼女の服のボタンを外しにかかった。
微かな迷いは残っていた。それでも触れてしまえば、止まらなくなる。
目を閉じたまま、ローラが顔を背ける。その白い首筋に顔を埋めた。
ローラの表情から、体から、緊張が伝わって来る。きっと初めてなのだろうと思った。だから大事にしなくてはいけない。
急く心を抑え込みながら、必死で自分に言い聞かせた。
それでもアーロンの手が彼女の肌に触れ、柔らかい膨らみを感じ取ると、頭の中は一気に熱くなる。
「ローラ…」
「…や」
不意に、耳元聞こえた涙声に、アーロンは我に返った。
とっさに身を起こし、ローラの顔を見る。彼女は泣いていた。苦しげに固く目を閉じたまま。
アーロンの中で昂ぶっていた熱が急速に退いていった。
「ごめん…!」
アーロンは慌ててローラから手を離した。猛烈な自己嫌悪が襲い来る。
「ごめん、もう、止めるから…」
ローラは何も言わなかった。ただアーロンから逃げるように、顔を覆って泣き続けた。
緊張とか、恐怖とか、そんなものではない。明らかな拒絶だった。
とても見ていられなかった。アーロンはローラから離れるとベッドに腰をかけ、彼女に背を向けた。
ローラの絞り出すような泣き声が、静かな部屋に響く。それを背に聞きながら、アーロンは髪に指を埋め、頭を抱えた。
そんな風に泣かせるつもりはなかった。
そんな風に泣かれるとは、思っていなかった。
アーロンはしばらく黙ってローラの涙が落ち着くのを待った。その場を埋める重い空気に、押し潰されそうになりながら。
「ごめんなさい…」
ローラの涙声が、沈黙を破る。アーロンはハッとしたように顔を上げると、「ううん」と首を振った。
「いいんだ。ごめん、俺、急がないから」
努めて明るくそう言った。
「…違うの」
けれどもローラは苦しげに呟いて、身を起こす。その動きに、アーロンは彼女を振り返った。
ベッドの上で身を起こし、ローラはアーロンに向き直った。涙で濡れた顔に、長い前髪が一筋振りかかる。
「好きな人が…いるの……」
心臓を握りつぶされたような痛みが走った。
喉が詰まって、息が止まる。
声を出すことも叶わず、アーロンはただローラの姿を映していた。悲しいほどに綺麗な、その涙を。
「認めたくなくて…。ずっと、考えないようにしてて…。でも…だめなの…」
声を詰まらせ、ローラが固く目を閉じた。その頬に、押し出されるようにまた涙が伝い落ちる。
「好きなの…」
言葉が、刺してくるようだった。胸が痛くてたまらない。心臓の音が耳の奥にガンガンと響く。それでもどこか頭は冷静だった。
―――あぁ…やっぱり…。
そんな風に思っていた。
「あの人は、私のことなんて…なんとも思ってないのに…。絶対に叶わないのに…分かってるのに…」
ローラの声が遠く聞こえる。その姿も、この部屋も、何もかもが遠ざかる気がした。
「でも、好きなの…!どうしようもないの…好きなの…!」
抑えきれない想いを吐き出すようにローラが叫ぶ。
自分には一度も言わなかった言葉が、繰り返しこぼれ出す。堰を切ったように。
何も言えなかった。どうしようもなかった。
アーロンは力無く目を閉じた。
「……分かった」
小さく呟いた声が、暗い部屋にぽとりと落ちて消える。それをきっかけに、また重い沈黙が流れた。
やがてローラが、再び「ごめんなさい…」と囁いた。
謝られたくなどないと思いながら、アーロンは「ううん…」と首を振る。
再び静けさが訪れると、ローラはそっと自分の服を直した。アーロンはその間、自分の足元の見慣れた床をぼんやりと眺めていた。磨いても取れない染みが、今日はやけに気になる。
そのみすぼらしさが、目に痛かった。
「キャリーの入学金は…必ず、返すから…」
不意に聞こえた言葉に、アーロンは目を見開いた。おさまっていた鼓動がまた早鐘を打ち始める。
「本当に、感謝してるから…」
続いた声は、もう耳に入らなかった。
目を見開いたまま、アーロンはうわごとのように呟いた。
「ごめん……帰って」
もう彼女を振り返ることも出来なかった。
ローラは「はい」と応えると、ベッドから降り、部屋の出口へと向かった。
そして最後にまた振り返ると「ありがとう…」と一言残し、部屋を出た。
その足音が遠ざかって行く。
ローラの気配が完全に消えた後も、アーロンは暗い部屋の中、しばらく身動きひとつせずに座っていた。




