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第八話

「私たちが負けたら、貴方たちを追うのも、記事も一旦中止する。で、貴方たちが負けたら、自白魔術をかけてのインタヴューに答えてもらうわ」

「貴方たちって……まさか、俺も入ってるのか!?」

「もちろんよ、どちらかというとあなたが本命よ」


 だが、ここで俺が降りて万が一にでもクリスが負けた場合、俺が話したくないようなことまで暴露されかねない。この学院の試合には魔術的契約を交わすようだから、反故にもできない。そうなった場合には、この学院にはいられないだろう。

 仕方ない、身の保身のためにも闘わざるを得ないか。

 だが、気は抜けない。クリスに挑んでくるということは、それだけ勝つ自信があるということだ。この学院の生徒の行使する魔術は、見たこともないようなものばかりだ。


「即席ペアだけど、ちゃんと働きなさいよね」

「全く、さっき戦ったばっかだというのに……」


 数分後、再びやってきたメグル先生監督の元、試合場にて向かい合う。

 試合場は、大きめの体育館のようだ。俺達を、上から見下ろすようにガラスの向こうから観客が集まってきている。どうせ、メールか何かで宣伝したのだろう。

 未納とクリスがメグル先生の前で、契約を交わす。これで反故には出来ない。


「これから未納加苅ペアVS日葉伏見ペアの試合を始めます。敗北条件は、ペアが共に戦闘不能か降参です。そして、決着後は互いに義務を果たすこと」


 相手は、未納という部長と加苅とかいうカメラマン。作戦などは一切考えていないが、きっとクリスはやりたいようにやるだろう。それに合わせるのが俺の仕事だ。

 メグル先生が手を挙げ、降り下げる。


「それでは、試合開始!」


 その言葉とほぼ同時に動いたのは、クリスだった。

 毎回のように放つ、速攻。

 毎度のように描かれる赤い一閃。

 たとえ来ると分かっていても、確かな実力がない限り避けることは不可能。つまりは、これを避けれないのならばクリスと闘う資格さえ得られないということだ。

 そして、クリスの拳は容赦なく未納の下腹部を抉った。


「ふん、あっけな――――これ、違うッ!」


 クリスの目の前には、いつの間にか未納の姿はなくなっていた。

 確かに拳は触れていたはずだが、まるで靄がかったように姿が消え去った。

 幻影か、瞬間移動か……?


「ふふ、先に新入生からいきましょうか」


 どこからか、未納の声が響くように聞こえてくる。

 その瞬間、身体の全細胞が震え始める。逃げろと叫んでいる。


「バーストッ!」


 すぐさま前方へ移動すると、ちょうど俺がいたあたりに何か白い靄が見える。

 あれは、未納の魔術か? 相手の出方がさっぱり分からない。


「部長は、オカルト研究会の会長でもあるんですよ」


 背後に気を取られていると、いつの間にか目の前に加苅が迫っていた。


「そして、部長の得意とする魔術は……」

「あぁごちゃごちゃ煩いわねっ!」


 様子を伺っていたクリスが、再び加苅の後頭部を狙って回し蹴りを繰り出す。

 だが、それをまるで見えていたかのようにしゃがんで避けて見せ、さらにすぐさま後退する。

 背の高さとは相反して、かなり動きが素早い。強化魔術専門というところか?


「チッ、ちょこまかとめんどくさいわね」

「あら、我慢もできないのかしら」


 またも未納の声がする。

 何か悪い予感が……なんだ、この寒気は。

 ふと、視界の端で白い靄が動いた気がした。


「アンタも出てきなさい!卑怯も――――」

「避けろクリスッ!」

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モチベがめっちゃあがります。

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