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第五十七話


 この廃ビルを買い取ったときに、追加で作った地下室は全部で三階。

 尋問室の下は、このOFの指示室となっていた。

 多数の資料と、各国にいるOF構成員からの情報を総合的に表示するコンピュータなどが並んでいる。


「遠見とは積もる話をしたいところだが、こちらの方が重要だ」


 そういって、中央の円卓にホログラムマップを表示させる。

 一体、どんな技術なのかは分からないが、これも科学の力なのだという。


「ここがお前が交戦した地点だ。 そして魔素の残滓を辿ると、ゾルヴァンはおそらくこのルートを辿って、ここに逃げ込んだはずだ」

「ここって……国立魔術博物館のある?」

「そうだ、ここの館長はIMROとのつながりも分かっている」

「こんな堂々としたところに隠れ家が……」

「そうだ、情報が整い次第、潜入捜査をしてもらう」

「了解です、いつでも出られるようにしておきます」


 一体、何者なのか。 裏で動いてるIMROは何が目的なのか。

 それすら見当がついていないが、とりあえずは目の前に見える敵を追うことに集中しよう。


「と、和佑。 二人を送る車が手配できたようだから、送って来い」


 一階の玄関に向かうと、黒塗りの高級車が二台止まっていた。 運転手に護衛、皆OFのメンバーであり、実力を持った魔術師だ。


 丁度、クリスと比巻が帰り支度を整えて降りて来ていた。


「クリス、巻き込んじまって悪いな」

「いいえ、あれは何も考えずに突っ込んだ私が悪いし……樫原十二賢者会として、無関係ではないわ」

「それもそうだな……だから、何かあればまずは俺に連絡してくれ」


 頭を撫でると、いつものように怒りはせず、頷いて車に乗り込んだ。

 まだ不安が消えたわけではないが、これで少しはどうにかなるだろう。


「それじゃ、私も帰るわね」

「あぁ、比巻も気を付けろよ」 

「危機管理は、師匠にきっちり習ったから」

「それなら、安心だな」


 比巻ももう一台の車に乗り込んだ。

 後は、安全に二人を家に帰してくれるだろう。

 着実に危険は近くまで迫ってきている。 前のデスアスクの時のような大惨事が起きる前に事件に決着をつけなければ。


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