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第四十七話


「先日、再び被害者が現れました~」


 臨時の樫原十二賢者会が召集された。

 内容は、二つ。一つは昨日のホムンクルス事件、もう一つは新たな失踪事件の被害者が発生したことだ。


 前者については、まだ未悠さんが解析中だがやはり前のホムンクルス事件以来の残党だとわかっている。

 そして問題は、後者の失踪事件の被害者だ。


 デスアスクを倒した後に新たな被害者が出たということは、やはりあの黒髪の麗人、ゾルヴァンが犯人なのはほぼ確定だろう。


 だが、その証拠も痕跡も全く残さないのが捜査が難航している原因だ。

 ゾルヴァンは謎が多すぎる。まだ戦うとしても早すぎる。


「生徒会長が長期出張という名のお遊びに出かけて行ったので~、指揮系統は当分私が引き受けますぅ」

「いつも通りってことだな」


 パクチーさんがまたふざけたように言う。

 だが、実際に志麻さんが主に指揮を執っているから、嘘でもない。

 今回の会議では、ホムンクルス事件の事後報告を俺と比巻が、失踪事件についての現在分かっている情報を共有して終わりだった。


「さて、早く未悠さんのとこへ行かないと……なんだ、クリス」


 立ち上がると、右側から服を引っ張られる。

 クリスは今日は真面目モードなのか、ツインテールからポニーテールにしている。


「カズスケ、ちょっと話したいことがあるんだけど――――」

「――――和佑! これから師匠のところへ行くの?」


 クリスの話を遮って、俺を引っ張り話しかけてきたのは比巻だ。

 どうやら、すぐにでも未悠さんのところへ行きたいようだ。

 と、すぐに右側からまた服を引っ張られる。


「ちょっと、人の話をちゃんと聞きなさいよ!」

「いや、聞いてたって……」

「和佑! 早く行きましょう」

「え、なに、これから牧瀬ちゃんとどっか行くわけ?」

「あぁ、ちょっと用事があってな」

「へえー、牧瀬ちゃんもカズスケと打ち解けられたのね」

「うん、色々あって、和佑のことも知っちゃってね」

「……へえー、ふぅーん、カズスケ、次は牧瀬ちゃんをたぶらかそうとしてるってこと?」

「おいおいおい! 俺がまるで節操無しみたいに言うなよ!」

「聞いたわよ! 中国から来た魔術師の女ともイチャコラしてるって!」


 頭が痛くなってきたし、クリスからの視線も痛くなってきた。

 これ以上は、いらん誤解を招く可能性がある。早めに撤退するが吉だな。


「クリス、話は後でな! 比巻も先に行っといてくれ!」

「「あ、ちょっと待ちなさいよ!」」


 急いで賢者会室から逃げ出す。

 あのままいても迷惑だろうし、何よりこっちの身が左右に裂けそうだった。

 エレベーターに乗り込み、一階へ向かう。比巻と別れて、俺も事務所へ向かおう。


「モテモテだな、伏見君よ」

 そこにいたのは金髪の紳士だった。


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