第二十話
休日であれど、学院内は出入りが自由である。
授業はなくとも、修練場で魔術を鍛錬している生徒も少なくない。
なので、学院内を自由に探索していてもあまり目立つことはなかった。
「それにしても、それっぽい手掛かりがゼロとは……」
朝7時に学院につき、広大な学院内をざっと半周したが、それらしき痕跡は残っていなかった。
聞き込みも行ったのだが、これといった話は引き出せず。強いて言いうなら、失踪事件についてのことぐらいだった。
現在は昼の12時。そろそろ昼飯の時間だ。
学食もないので、少し外へ出てみることにした。このあたりは、学院都市なので学生向けの食堂が多い。
学院を出て数分のところに、大きな商店街が続いている。そこに行けば、大抵のものは揃うという学生万歳な場所だ。
昼時は、休日だからかどこも大混雑していたので、すぐには入れるお店を探すことにした。歩いて十分もすると、全く人が入っていないような店を見つけた。そこは路地裏にあり、あまり人目がつかない場所に位置している店だった。
名前は『荘厳屋』。どうやら定食屋のようだ。
「らっしゃせー」
カウンター席しかない小さな店。そこに座っているのは一人だけのようだった。
「おばちゃん!カツカレーおかわりネ!」
席に座ると、隣のお客が元気よくおかわりを注文する。元気があるのはいいことだ。
どうやら、チャイナ服を着ているし、中国からの留学生か何かだろうか。
「おばちゃん!カツカレーおかわりネ!」
さて、俺も何か頼もう。いろいろあるようだし、悩むな。
かつ丼定食、そば、うどん、ラーメンまである。腹も減っているし、なにかがっつり食べたいな。
「おばちゃん!カツカレーおかわりネ!」
ここは定番のトンカツ定食にでも――――――
「おばちゃん!カツカレーおかわりネ!」
「いや食うの早すぎるだろ!それに何杯食べるんだよ!」
「ふぇ?――――――あっ!」
「お前、どっかで――――あっ」
つい突っ込んでしまったチャイナ服の少女、彼女とは面識があった。
「何年ぶりですかネ!私のこと、覚えていますカ?」
「もちろん……忘れたくても忘れられないな」
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モチベがめっちゃあがります。




