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隠蔽  作者: 山本正純
終章
48/48

解説

 原作者山本正純です。シリーズ第五作隠蔽いかがだったでしょうか。

 さて今作は異色作となりました。主人公はテロ組織退屈な天使たちの幹部ラグエルこと愛澤春樹。帰国したラジエル=ジョニーと共にとある事件の捜査をすることとなった。その事件とは同じテロ組織のメンバーが第一容疑者となった通り魔事件。二人は容疑を晴らすために東奔西走する。

 そんな中アリバイが成立したことで容疑者から外すという目的は達成された。そこで後は警察に任せる組織と真実を明らかにするために捜査を続ける愛澤との対立が発生した。

 簡単にまとめるとこのような話でした。

今作のテーマは目的が達成された後どうするのかです。目的は人により違います。殺人犯の目的はある人物を殺害することです。目的の達成。つまり殺人を犯した時その殺人犯はどうするのでしょうか。自首をするのか。逃走をするのか。それとも自殺をするのかもしれません。また誰かを犯人に仕立て上げて冤罪にするのかもしれません。

 殺人犯という例を出してこの問題を考えるとこのように選択肢が複数存在するのです。しかしどれが正しいのかは誰にも分からないでしょう。なぜならこの問題には答えがないのだから。正しいとされる答えは結果論に過ぎないでしょう。

 この事件は赤い落書き殺人事件が解決して一週間後の話です。警視庁の皆さんはこの事件の裏付け捜査などで忙しそうだと思ったので、あえて舞台を神奈川県に設定しました。

 この作品で気を付けたのはサブタイトル。タイトルが熟語なのでサブタイトルも熟語になるように気を付けました。ボキャブラリーがなければ不可能だったでしょう。またこのスタイルに挑戦してみようかな。その時は社会派推理小説になりそうな予感が。そのようなことをあとがきを書いている最中に考えてみました。

 ここまで読んでくださった読者様に感謝しつつ一度筆を置かせていただきます。なおシリーズ第六作の連載は十月からにしたいと思います。それまでしばらくお待ちください。

 彼が再登場した時物語は大きく動き出す。


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