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面会 前編
その日の夕刊の一面は鈴木光子の裁判のことだった。愛澤は駅で人を待っていた。すると一人のスーツを着た男が声をかけた。
「愛澤様ですね。あのお方がお待ちです」
「首を長くして待っていました」
一時間後愛澤はあのお方の待つ屋敷に到着した。スーツの男に案内されて部屋に辿りついた。確かに喜田のいうようにマジックミラーで仕切られ、反対側は見えないようになっていた。スーツの男は言った。
「面会時間は十五分とさせていただきます」
愛澤は心の中で刑務所かと思った。するとあのお方から話した。声は変声器を通した声だった。
「君がラグエル君ですか」
「はい。では単刀直入に聞きます。なぜ私と面会をするのでしょう。あのゲームの勝者はラジエルのはずですが」
「一応ラジエルにも面会の時間をやった。捨て駒システムのデメリットについてプレゼンして帰ったが」
あいつらしいと愛澤は思った。
「それは答えになっていません」
「ゲーム終了後に決定した延長戦の結果はあなたの勝ちでしたよ。結果的に組織関係者が犯人ではなかったことが勝因かな」




