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隠蔽  作者: 山本正純
第四章
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真実 2

 そして鈴木は供述を始める。

「そうよ。全ては下川君のためよ。三年前彼はここで通り魔事件を起こした。彼は現行犯逮捕されたわ。そして私の目の前で刑事さんが殺された。私はその時思ったの。彼は人を殺していない。人を殺せる人間じゃない。冤罪だ。そうだ。あの刑事さんを殺した犯人は別にいる。そいつはあのどさくさにまぎれて殺したのではないのか」

 愛澤は推理を話す。

「それでいるはずの真犯人をおびき出そうとした。その方法はあの現場にいた人を次々に襲うこと。あの事件と同じ型のナイフを現場に落とし、タイミングを下川の裁判の時期に合わせる。仕上げは被害者の名字のイニシャルを『はやし』になるように被害者を選ぶだけでよかった」

 鈴木は供述を続ける。

「全てあなたの推理通りよ。でもいるはずの真犯人は動かなかった」

 しかし愛澤は鈴木の発言を否定する。

「いいえ。皮肉にもその真犯人は再び犯行を犯してしまった。ですよね。渋谷可憐さん」

 渋谷は慌てる。

「私は犯人な訳ないでしょう。だいたい誰を殺したというのですか」

 その様子を見て愛澤は笑う。

「まだ殺人と言った訳ではありませんが」

 渋谷はもっともらしい証言を始めた。

「それは第二の被害者安田友美が殺されたとニュースでやっていたからですよ」

 愛澤は両手を叩く。

「そうでした。ニュースでやっていましたよね。ではあなたはなぜここにいるのでしょうか」


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