侵入
その頃喜田は自宅に帰った。玄関はなぜか開いていた。喜田は空き巣が入ったと思い、拳銃を構え自分の家に侵入する。
するとリビングに灯りが付いているのが見えた。リビングに入ると見覚えのある外国人がソファーに座り海外ドラマを観ている。
「ジョニーか。どうやって侵入した」
ジョニーはポケットから鍵を取り出す。
「ラグエルから借りた会い鍵で侵入した。それでこのドラマのシーズンワンが日本で放送か。いつ観ても面白いな」
「それはどうでもいい。なぜ不法侵入した」
答えによっては・・というように喜田は拳銃を構え続けている。
「一つ腑に落ちないことがあって」
喜田は聞き返す。
「何でしょう」
「ラグエルのことだ。なぜあいつは隠蔽を拒む」
喜田は拳銃を閉まった。
「そんなことか。知りたいのなら教えてあげよう。愛澤の過去を」
すると喜田はコーヒーメーカーの電源を入れた。
「その前に帰宅後のティータイムをしてもいいかな。警察上層部の仕事は気を使う仕事だから楽しみがないと出来ない」
コーヒーを煎れると喜田は冷蔵庫からケーキを取り出した。
「どうでしょう。ジョニーもケーキを食べないか」
「いいえ。甘い物は少し苦手ですから」
「そうか。疲れた時に糖分を摂取した方がいいと聞いて帰宅後にケーキを食べるようにした」
「すみませんがコーヒーはブラックにしろ。それとこの生活を続ければいつか糖尿病になる。気を付けた方がいい」
喜田は沈黙した。




